「言いたい放題」シリーズで触れなかったが、タブー視されている最大のエゴを言えば、誰もが「景気をよくして欲しい」と願う点だ。
当たり前の理屈だが、景気が好転すれば、企業収益があがり、労働者の給料もあがる。また、雇用も安定し生活が豊かになる。税収も多くなり国家財政が潤い、色んな政策を行える。まさにバラ色のロジックである。
一方、私のような年金生活者は全く逆の立場にいる。景気が良くなっても給料は上がらないどころか、インフレになり、物価が上がるので、生活費がかさみ、所得が減る勘定だ。悪者扱いされる「デフレ」経済下だと全く逆で、物価は安く生活し易いのだ。
円高で困る企業と歓迎する企業が存在するように、世の中は、利害相反の矛盾を抱えて活動している。現在の社会のシステムは、全て右肩上がりの経済を前提にしているために、景気が悪くなると打開策がなくなる。真の構造改革の柱を打ち間違えていないのだろうか。