「みどりの窓口」で、そろそろ発券されそうかなと思った時、60歳位の女性が、「自販機で小松まで往復の切符を買ったのに、片道分しか出ないので、往復分、下さい」と、割込んで来た。
若い男性社員は、私に断りを入れ、優先処理した。駅員が恐縮しているのに、彼女はお礼も言わずに、そそくさと改札口に消えた。
「まだ1時間近くもあるのに?」と、急ぐ理由が解せないでいたら、戻って来て、駅員に「電車が来ない」と、詰問する声が静かな構内に響いた。自分の記憶に頼り、改札口の時刻表も確認せず、土・日限定ダイヤを平日も運行すると混同していたのだ。
さすがにバツが悪かったのか、私の横を伏し目で通り過ぎたのも束の間、「ごめん!いつもの電車が今日は無いんやて。約束に1時間遅れるけど待っとって!」と、携帯電話で声高にしゃべるのがすぐ近くで聞えた。
「謝る相手が違うだろ!こんなおばさんが、食べ放題や詰め放題に馳せ参じる人種かも」と想像したら、怒りが鎮まった。