妻の留守中に、気楽な一人暮らしを満喫出来ると、三日間の過ごし方の計画を練った。
もともと、自炊を苦にしないし、台所の使い方を口やかましく言われずに、自分好みの料理を作るだけでも有難かった。
ところが、朝・昼・晩の食事を一人で黙々と食べることのなんと味気ないことか。楽しみにしていた外食も出掛ける気になれず、結局、ジムへ行く以外は、掃除・洗濯、包丁研ぎや鍋のこげ落とし等の家事労働に終始した。
マラソンでは、集団の中の孤独を楽しむことが出来るが、本当の一人ぼっちの生活は、耐えがたい。日頃、孤独死や孤立死を他人事のように思っていたが、「伴侶は、老いてこそ必要」なのだと自戒した。