ゴールデンウィークが始まりましたね
初日の昨日は大雨が降り、残念なスタートとなりましたが、一転、今日は春の青空が広がっています
今年のGWは、3年ぶりに「旅行」をされる方もおいでになるかもしれません。それでも、まだまだ「新幹線の乗車率は200%!」とか「成田空港のロビーは人でごった返し…」などというニュースからはほど多いのが現状です 海外への旅行も解禁となり、ハワイへの渡航客はそれらりの数だそうですが、まだまだ以前のように「世界中、あちこちへ
」というには、時間がかかりそうです。
私は「青い空」を眺めていると、母と一緒に旅したエーゲ海のサントリーニ島のことを思い出します。こんな今だから、ちょっとその時のお話を
サントリーニ島は、カレンダーや絵ハガキなどでもよく登場する「青い海、青い空、白い家々、青いドームの教会」という、あの島、です。
その日は1日中、自由行動だったので、朝から母と私は島の中心地であるフィラという町から小さなロープーウェイに乗って、町の崖下の港に行きました。「崖下」と書いた通り、フィラの町は崖の上にあり、港からフィラの町に入るためには約600段の階段を登るか(ロバの背に揺られて登る、という手もあり)、小さなロープーウェイの乗るか、なのです。
オールドポートの沖には、4隻の大型客船が停泊しているのが見えていましたが、まだ朝が早かったため、港にはまだ客船の乗客達は上陸してきていないため、とても静か・・・まるで映画のワンシーンのように、オジサン達が立ち話をしたり、椅子の修理をしたりしていました。
小さな港を散策した後、母とコーヒーを飲み、フィラの町に戻りました。往復、ロープ―ウェイを使ったものの、600段の階段のジグザク道も趣があり、フィラの町に近いところになると、狭い道の両側にはお土産物屋さんやいろんなお店があり、とっても楽しそう 母がいかにも好きそうな、飾り棚に飾れそうなお人形や諸々を扱うお店もあって
ブラブラと歩いていると、ふっと「CRIVELLI(クリヴェリ)」という看板が目に留まりました「む?CRIVELLI
なんでなんで
」
クリヴェリはね、イタリア最大のジュエリー企業です 自社で商品に加工する宝石を各国から輸入し、自社でデザインを興し、自社工場を持ち、自社お抱えの職人達によってジュエリーを製作する・・・という会社です。しかし、CRIVELLIというブランド名では世界に流通はさせず、すべてのクリヴェリのオリジナルジュエリーは、世界中のブランドや宝飾店に卸され、そこのブランドやお店の名前で商品となって並びます。日本にも、近年はクリヴェリのデザインをコピーしたようなイタリアンモードの宝石が並ぶようになりました。
このような「自社ブランドでは流通しない」という事情を知っていたために、私はCRIVELLIの看板を掲げてある宝石店が気になったのです。母にもそんなことを簡単に説明し、ウインドウを覗きました
はい、ありました、ありました そこには、イタリアのジュエリーショーや、内原の保税展で見慣れたCRIVELLIのジュエリー達が
母と二人でキャッキャッと楽しんでいると、中から素敵なオジサマが出てこられました。「あなた達は日本人?宝石が好きなのですか?」と、とっても流暢な英語で話しかけられました。そこで、私は満面の笑顔で右手を顔のところまで上げて・・・偶然にもその旅行に選んでいったクリヴェリのリングとバングルを見せたのです
オジサマは大喜び
「Ohhhhhhh~CRIVELLI
」
私達はオジサマに誘われ、中へウインドウには、クリヴェリを始めとする、すばらしい宝石達が所狭しと並んでいました。中には、ビザンチンの時代を思い描くようなデザインのジュエリー達もあり・・・とっても小さなお店なのですよ。
私は、どうしてこんな観光地に、それも2,3ユーロ程度のオモチャ的なお土産アクセサリーを売っているお店達と並んで、高級なジュエリー店があるのか不思議に思い、そのことをたずねてみました。
オジサマのお返事を聞いて、唸りました
「港に行ってこられた、とおっしゃっていましたね。ご覧になったでしょう?港の沖には、客船が停泊しれいたでしょう?今日もあと1時間もすれば、あの複数の客船から、観光客がボートに乗って港にやってくるのです。そして、ロバに揺られたり、ロープ―ウェイに乗ったりして、このフィラの町にやってくるんですよ。世界中からやってくるクルーズ船のお客様達は、みなさん裕福な方ばかり。たとえ裕福な方ではなかったとしても、素敵なクルーズで気が大きくなっておられる・・・そこで、この夢のようなフィラの町で、うちのジュエリー達を見て下さると、ついつい『エーゲ海の思い出に』と宝石を買ってくださるのですよ~」
このお店では、社長がデザインするビザンチンテイストのオリジナルジュエリーもたくさんあって・・・なるほど、なるほど、と納得
このコロナ禍にあって、観光立国であるギリシャはどうなっているのかな、と時々思い出しています。コロナだけではなく、ウクライナの情勢まで重なり、これからヨーロッパはどうなるのか・・・遠い遠い国々は、一層遠くなりました
まだまだ海外への旅は先の先。ちょっと目先の変わった旅の話のご披露でした