2月も終わりますねえ 明日からは3月が始まります。
この時期は、毎年、ジュエリーマナーズの「春の保税展」のご案内をする時期です。保税展とは何か?については、「保税展とは?」をご覧いただくこととして、今日はジュエリーにまつわる「へえ」「ほー
」「なるほど、なるほど…」を楽しんでいただこうと思います。
まずは、先に保税展の会期と会場をお知らせ。
3月20日(木・祝)、21日(金)、22日(土)、23日(日)
3月27日(木)、28日(金)、29日(土)、30日(日)
4月3日(木)、4日(金)、5日(土)、6日(日)
いずれの日も、午前10時30分 ~ 午後6時、まで。
会場は、「ガレリア UCHIHARA」の地下2階ホール(保税蔵置場)、東京都港区六本木7-2-7です。
すでに、21日(金)の午後と、27日(木)終日にはお約束がありますので、字消し線で消すことにしました。今日の最後にはパンフレットもアップしますね
まずは、少しだけ出展されるブランドのご紹介。
今回は、初出展の「パトリック・マヴロス」というブランドがあります。なななんと、このブランドは「モーリシャス」からの出展です。モーリシャスって… むー、聞いたことはあるよなあ、島国だっけ?
ピンポンピンポン はい、そうです
アフリカ大陸の東側にある島国マダガスカルの、さらに東約900kmにある島国で、広さは東京都くらいだそうですよ。この「パトリック・マヴロス」というブランドのジュエリーは、イギリスのキャサリン妃もご愛用とのことで… 何だかどんなジュエリーがやってくるのか、ワクワクします。
久しぶりに香港からの出展「ピュリティジュエリー」、前回までは「ファルチネッリ」というブランド名で出展されていたイタリアのチャーミングなブランドは、今回からは「タヴァンティ」とブランド名を変更し、登場します。そして、ジュエリーマナーズファンにはお馴染み、盤石の地位を誇るイタリアの「クリヴェッリ」。今回も楽しみです
そんな中で、敢えて今日ご紹介をする、イタリアの「ナニス」。
ブランドとしての云々は横に置き、今日はそのブランドの特長である「ビュラン彫り」についてご紹介しますね
ビュランというのは、鋭利な「ヤスリ」の名称です。ナニスのジュエリーは、まずは18金やプラチナをつるつるに磨き上げ、その素材にビュランを使い、敢えて丁寧に彫りを入れていきます。
つまり、せっかくつるつる、ピカピカにした素材に、わざわざヤスリで傷をつけていく、という訳です
そして、その彫りの入れ方にも数パターンあり、縦方向、横方向にまっすぐに彫りを入れる方法や、ランダムに彫りを入れる方法など… それぞれの彫り方によって、出来上がりの風合いに微妙な違いが生まれるのですよ
要するに、金やプラチナのジュエリーというだけで価値が高いわけですが、そこに「非常に細かい傷をつけるという手間をかけた技術」で、ひとひねり、ふたひねりを加えたジュエリーに仕上げている、のですね。まあ、ジュエリーとはそういうもの、ではあります 宝石だけをカットして、ドーンとリングに乗せる、ペンダントトップにする、というだけでも立派なジュエリーに仕上がるわけですが、やはりそこにデザイン性を高めるためにカットの仕方を工夫したり、別の色の宝石を合せたり、金属を曲げたり、金属の種類を複数にしたり、金属と宝石を合せたり…と、ひと手間、ふた手間を加えることで、一層すばらしいものになっていくのです。その「手間」こそが、「技術」でもありますね
話をナニスに戻し… 説明だけでは、なかなか伝わらないと思いましたので、写真をお見せすることにします。
私がスマホで撮った写真ですから、なかなか微妙な風合いまでは伝わりきらないとは思いますが
まずは、これが「つるつる、ピカピカ」の状態です。私のスマホカバーの柄が写り込んでしまっているので、中央部分が黒く見え、私の手まで見えています(失礼)
これが、ビュラン彫りを施した、上の写真と同じピアスです。じつは、さっきのつるつる。ピカピカの側が裏側。こちらが、ピアスの表側です。
このビュラン彫りは、縦方向に直線の彫りを入れているのがおわかりになるでしょうか?
最後がこちらです。わかりづらいかもしれませんが、この彫りは、直線の一方方向ではなく、ランダムな方向に彫られていること… 見えますかねえ?
これらの画像はアップの状態で写しているので、同じように見えていると思いますが、実際には、上の二つ(表と裏を写したもの)と下の一つとは、かなり大きさが違います。下の方が、上の倍ほどの大きさがあります。そして、上の二つは楕円ではありますが、球体ではなく、ぺしゃっと押しつぶした楕円で、下のは球体です。また、上はピアスで、下は同じピアスでも、引っかけるタイプで、耳からブラブラと下がるもの。そして、微妙に違う彫り方も違う。この2つのピアスを、かなり雰囲気の違うものにしています。
…となると、彫りの説明用に、と写した写真では同じように見えるものでも、大きさ、形状、彫り方の違いで、実際に装ってみると、かなり雰囲気が違っています。 おもしろいですよね。まさに「ジュエリーは見ているだけではわかりません。なので、それが小さな指輪であっても、身に付けて、必ず全身が映る鏡に映してご覧になってくださいね」と私がアドバイスする所以です
いかがでしょう?少し楽しんでいただけましたか?
どんなこと、どんなものでも、「知ろう」とすれば、すべてが「奥の深いもの」ですね
私は、教室を終えてからは、何も考えないで、今まで興味のあったことだけ見たり聞いたりしていては「脳ミソがダメ」になってしまいそうで… なので、敢えて新しいことに興味を持ち、より知っていこうとしています。幸い、すぐに「なんで?」「ああ、知らないはこれ
」などと思う性分なので、今のところは思考も錆びついてはいないようですが、記憶力の低下のすさまじさを思えば、とにかく安心したり、満足するのは禁物だ
と自分に言い聞かせています。
最後に、保税展のパンフレットを載せておきますね。
いつもお話をするように、初めての方、コワいもの見たさ…の方々、大歓迎です 保税展は、輸入前のものを展示しているため、すべての展示品は東京税関の管理下にあり、入場する場合には、事前に東京税関への登録が必要になります(なんて言っても、別に何も大層なことではありませんが、笑)。なので、おいでいただく日時が決まりましたら、必ず事前にお知らせくださいね。
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