DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

状況一転、ヘビー級戦線(色々:05‐21‐21)

2021年05月21日 05時19分25秒 | 世界ボクシング

最近(2021年5月21日ごろ)のニュースです。

1)「8月7日、又は14日にサウジアラビアで対戦」と詳しい日時と場所までまとまっていた4団体ヘビー級王座統一戦、IBF/WBA/WBO王者アンソニー ジョシュア 対 WBC王者タイソン フューリー(共に英)の一戦は、一転してしばらくは実現しない流れとなってきました。代わってフューリーは7月にディオンティー ワイルダー(米)との防衛戦/第3戦を行い、ジョシュアは8月に、WBOの指名挑戦者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)との防衛戦を行う方向で話が進み始めているようです。

2)ジョシュア、フューリー、そしてワイルダーの3強があまりにも抜きんでた存在の現在のヘビー級戦線。それを追う第2グループの中心的選手の一人であるダニエル デュボア(英)が来月5日、ボグダン ディヌ(ルーマニア)と空位のWBA暫定王座を賭け対戦します。

3)昨年11月にデュボアに初黒星を与え、ウシクとWBO暫定王座決定戦を行う話まで出ていたジョー ジョイス(英)。彼が現在のヘビー級第2グループの筆頭と言って過言ではないでしょう。しかし現在の所、ジョイスの今後の予定がどうなるかという話は出ていないようです。

4)本来なら6月に予定されていたヘビー級6回戦、イベンダー ホリフィールド 対 ケビン マクブライド(共に米)は秋口を目処にスケジュールの再調整がされているようです。

5)7月7日に予定されていたティム チュー 対 マイケル ゼラファ(共に豪)。ゼラファがろっ骨を負傷した疑いがあり、もしゼラファがその日に試合が行えない場合、この試合はそのまま消滅する可能性があるとの事。

6)2日前の5月19日はご存じの通り、日本ボクシング界にとって「ボクシングの日」。1952年に白井 義男氏(シライ)が世界フライ級王座を奪取し、日本人として初の世界王者が誕生した記念すべき日でした。

(日本人初の世界王者・白井 義男氏)

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竹迫、強打炸裂(日本ミドル級)

2021年05月20日 05時42分10秒 | 日本ボクシング

現地時間の昨夜(19日・水曜日)後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本ミドル級戦:
王者竹迫 司登(ワールドスポーツ)KO初回2分46秒 挑戦者国本 陸(六島)

*王者の負傷や、コロナウィルスの影響でこれまでに何度も延期となってきた一戦。初めて対戦の話しが出てから2年。ようやく両者が拳を交える事が出来ました。

試合実現までには時間がかかりましたが、実際の試合は1ラウンドを費やすことなく終了。竹迫がその強打で国本から2度のダウンを奪いKO勝利。竹迫は昨年1月にOPBF(東洋太平洋)王座も獲得していますが、日本王座の防衛は2019年8月以来のものとなります。

いつものように、ジョー小泉氏がFightnewsに提供した情報を参考にさせていただきます。それによると、最大1600人程度の入場可能な後楽園ホールに、628人の観衆が同会場に詰め掛けたそうです。

 

村田 諒太(帝拳)を除けが、同級の日本国内レベルでは抜きんでた存在の竹迫。下記が2021年5月20日現在の、ミドル級のタイトル保持者の顔ぶれとなります。

WBA(スーパー):村田 諒太(帝拳/防衛回数1)
WBA(レギュラー):エリスランディ ララ(キューバ/0)
WBA(暫定):クリス ユーバンク(英/0)
WBC:ジャモール チャーロ(米/3)
IBF:ゲナディー ゴロフキン(カザフスタン/1)
WBO:デメトリアス アンドラーデ(米/4)
OPBF(東洋太平洋):竹迫 司登(ワールドスポーツ/0)
WBOアジア太平洋:野中 悠樹(井岡弘樹/1)
日本:竹迫 司登(ワールドスポーツ/4)

*何と言ってもその強打が魅力な竹迫ですが、残念なことに現在の日本ミドル級は選手層が非常に薄い状態が続いています。しかしOPBF圏に視野を広げれば、豪州勢を中心に強豪はいくらでも存在します。日本王座の防衛記録更新はもちろんですが、同時にワンステップ・アップも目指していって貰いたいですね。

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フィゲロア、ボディーでネリを仕留める(2団体スーパーバンタム級)

2021年05月19日 05時40分31秒 | 世界ボクシング

先週末15日、米国・カリフォルニア州で行われた試合結果です。
2団体スーパーバンタム級王座統一戦:
WBA(レギュラー)王者ブランドン フィゲロア(米)KO7回2分18秒 WBC王者ルイス ネリ(メキシコ)

*試合前に予想通り、打ち合い好き同士の対戦となった王座統一戦は終始打撃戦に。激しいパンチの交換が行われる中、ボディー攻撃を交えたフィゲロアが最後はライバルを仕留める事に成功。6回終了時までの採点も、1対1(58-56、57-57、55-59)と両者譲らず。フィゲロアが激戦を制すると共に、WBC王座の吸収にも成功しています。

 

スーパーバンタム級10回戦:
元IBF/WBA王者ダニエル ローマン(米)判定3対0(98-92x2、97-93)リカルド フランコ(メキシコ)

*世界王座陥落後、この試合が再起2戦目となったローマン。バンタム級で世界王座への挑戦経験を持つフランコに大差判定勝利を収め、順当に王座復帰への道のりを歩んでいます。

 

また一人統一王者が誕生した激戦区スーパーバンタム級。2021年5月19日現在の、同級のタイトルホルダーを確認しておきましょう。

WBA(スーパー):ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/防衛回数1)
WBA(レギュラー):ブランドン フィゲロア(米/4)
WBA(暫定):ライース アリーム(米/0)
WBC:ブランドン フィゲロア(米/0)
IBF:ムロジョン アフマダリエフ(ウズベキスタン/1)
WBO:スティーブン フルトン(米/0)
OPBF(東洋太平洋):勅使河原 弘晶(三迫/4)
WBOアジア太平洋:ジュンリエル ラモナル(比/0)
日本:古橋 岳也(川崎新田/0)

*これまで保持していたWBAのレギュラー王座に加え、WBCのベルトもコレクションに加えたフィゲロアは、9月11日にWBO王者フルトンと対戦する事が既に決定。WBAはアフマダリエフとアリームによるWBA内での王座統一戦を行うよ指令を出しています。ローマンは昨年9月の再起第1戦目に勝利を収めた段階で、WBC王座への挑戦権を獲得しています。うまく事が運んでいけば、来年の今頃には同級から4団体統一王者が誕生している事でしょう。

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試合予定、試合結果色々(色々:05‐18‐21)

2021年05月18日 05時56分42秒 | 世界ボクシング

最近(2021年5月18日ごろ)のニュースです。

1)WBAライトヘビー級レギュラー王者ジャン パスカル(カナダ)が来月6日、米国・フロリダ州のリングに登場。元同タイトル保持者バトゥ ジャック(スウェーデン)の再挑戦を受けます。2019年の年末に対戦している両者。その時は僅差の判定でパスカルが勝利を収め、王座の防衛に成功しています。パスカルはその試合以来の実戦となりますが、ジャックは昨年11月に再起戦を行い判定勝利を収めています。

2)英国期待のライトヘビー級ジョシュア ブアッツィが先週末15日、母国・英国のリングに登場。ダニエル ドス サントス(仏)を4回で下し、保持するWBAライトヘビー級インターナショナル王座の6度目の防衛に成功しています。

現在のWBAライトヘビー級のタイトルホルダーは、スーパー王者が安定度抜群のドミトリー ビボル(キルギスタン)。レギュラー王者がパスカルで、暫定王者であり同時に1位にランキングされているのがロビン クラスニキ(独)。そして14戦全勝(12KO)のブアッツィがそれに続いています。ブアッツィは3王者にとり、怖い存在ですね。

3)若干19歳のジャイル バルティエラ(メキシコ)が先週14日、元WBAスーパーフェザー級暫定王者エマヌエル ロペス(メキシコ)を3回でKO。保持するWBCライト級ラテン王座の防衛に成功すると共に、全勝記録を15(8KO)に伸ばしています。20歳に満たない若者が、元世界王者をKOするのは驚きですが、このバルティエラ、アマチュアで何と250戦以上のキャリアがあるとか。一体何歳からリングに上がっているんでしょうかね?

4)同日、ポーランドでIBFクルーザー級王座への挑戦者決定戦が行われています。世界王座への挑戦経験があるミハウ ツィエスラク(ポーランド)がユーリ カシンスキー(露)を僅か113秒でKO。2度目の世界挑戦に向け、大きく前進しています。

5)本来なら「こどもの日」にエディオンアリーナで行われる予定だった亀田 和毅(3150ファイトクラブ)対三宅 寛典(ビックアーム)の一戦。今週末22日に、場所を大阪府豊中市の「176BOX」という会場に移し行われる見通しです。

6)WBOミドル級王者デメトリアス アンドラーデ(米)とWBA同級暫定王者クリス ユーバンク(英)の対戦話が出ているようです。これは是非実現してほしい一戦ですよね。

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久々のチャー、大楽勝(ヘビー級)

2021年05月17日 05時39分30秒 | 世界ボクシング

先週末15日・土曜日、ドイツで行われた試合結果です。
ヘビー級12回戦:
WBA(休養)王者マヌエル チャー(独)KO2回2分11秒 クリストファー ラブジョイ(米)

*2017年11月に、当時空位だったWBAヘビー級のレギュラー王座を獲得して以来のリング登場となったチャー。今年に入り、長期に渡りリング活動を行っていなかったため、休養王者に移行されています。

約3年半ぶりに試合に臨むことになったチャーが迎えたのは、これまでの戦績が19戦全勝全KO勝利のラブジョイ。戦績だけ見ると怪物的選手というイメージが連想されますが、これまで対戦してきた選手は、8勝56敗(32KO負け)4引き分けや0勝14敗(7KO負け)1引き分けなど、負け数がキャリアのほとんどを占めていたり、これまで白星を挙げた事がない選手たちばかり。いくら久々の試合とはいえ、あまりにもお粗末な選手を選んだものです。というか、よくもまあ、こんな選手を探し出したものです。

実際の試合もひどいもので、ラブジョイはクリンチ失敗の際、両膝をリングに付いてしまいました。そこまではいいのですが、その際、何とラブジョイは泣き面でレフィリーに痛みを訴える始末。その後、試合は継続されましたが、チャーの右パンチであっけなくKO負けしています。

この試合を公式な試合と呼べるかどうかいかがわしいもので、昨年11月に行われた「マイク タイソン対ロイ ジョーンズ」のエキシビションマッチの方がよほどマシなものでした。

何はともあれそのキャリアに白星を加える事に成功したチャー。今後はチャーの後任としてレギュラー王者に昇格したトレバー ブライアン(米)をはじめ、それ相応の相手と試合を行っていって貰いたいものです。

 

一応はいまだに世界ヘビー級王者であるチャー。チャーを含めた2021年5月17日現在の、ヘビー級王者たちの顔ぶれは下記のようになります。

WBA(スーパー):アンソニー ジョシュア(英/防衛回数1)
WBA(休養):マヌエル チャー(独/0)
WBA(レギュラー):トレーバー ブライアン(米/0)
WBC:タイソン フューリー(英/0)
WBC(暫定):ディリアン ホワイト(英/0)
IBF:アンソニー ジョシュア(英/1)
WBO:アンソニー ジョシュア(英/1)
OPBF(東洋太平洋):空位
WBOアジア太平洋:デムシー マッキーン(豪/0)
日本:上田 龍(石神井スポーツ/0)

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「この階級、この選手」のおさらい(スーパーフェザー級編)

2021年05月16日 05時08分22秒 | ボクシングネタ、その他雑談

「1990年代初頭からこれまでの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を各階級3人ずつ挙げていっています。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級の実力№1とは限りません。個人的に思い入れのある選手、または印象に残った選手が中心となります。」

上記の見出しで始まった「この階級、この選手」。2014年7月24日から昨年2020年の5月25日まで、全17階級の自分の記憶に残った選手たちを掲載してきました。今回の「この階級」であるスーパーフェザー級で選出した選手は、同級の1990年代初頭を代表し、WBA、WBCと2度同級王座を獲得した超絶技師ヘナロ エルナンデス(米/帝拳/2016年5月5日)、伝説のガーナ人アズマー ネルソンと4度拳を交えたジェシー ジェームス レイハ(米/2016年5月19日)。そしてボクシング後進国ブラジルから突如として誕生した「ブラジルアン・ボンバー」アセリノ フレイタス(ブラジル/2016年7月13日付け)の3名でした。

1990年代以降、畑山 隆則(横浜光)、粟生 隆寛(帝拳)、三浦 隆司(帝拳)、伊藤 雅雪(横浜光)など日本からも素晴らしい世界王者たちが誕生しました。しかし何といっても内山 高志(ワタナベ)は同級史に残る素晴らしい選手でした。2021年5月の段階で振り返ってみると、「何で内山を記載しなかったのかな?」と自分自身に疑問を感じてしまいます。2016年に集中して3人の同級の代表選手を選出しましたが、内山はその頃世界のベルトを腰に巻いていました。「この階級、この選手」を書く時、過去の選手を中心にしようという意識が先走りし過ぎてたんでしょうね。強すぎるために、対戦者探しに苦労した内山。そのため、試合間隔が開き気味でした。彼には同級の連続防衛記録を更新してほしかったです。

内山を選出しなかったと言っても、自分が選出した3選手に不満があるわけではありません。帝拳ジムとマネージメント契約を結び、その技術(特に左が凄かった)で当時のスーパーフェザー級で安定政権を築いたエルナンデス。特に秀でた能力があったわけではないですが、全体的にまとまった選手レイハ。今振り返って見ると、両者は一つの時代と、その次の時代の橋渡し的な役割をしてくれました。共に「アフリカの怪人」ネルソンと対戦。ネルソンと言えば、1980年代の初頭から1990年代の後半までの約20年もの長きに渡り、世界の一線級で大活躍した選手です。ネルソンが対戦した相手には、サルバドール サンチェス(メキシコ)、ウィルフレド ゴメス(プエルトリコ)、パーネル ウィテカー(米)等、ボクシング史に名を残した名選手が多数います。いくら全盛期の過ぎたネルソンだったとはいえ、エルナンデスとレイハは偉大なガーナ人に勝利を収めています。

(「この階級、この選手」の先駆者的存在だったネルソン)

  

(エルナンデスは1度、レイハは何と4度もネルソンと対戦しました)

またエルナンデスとレイハは、当時物凄い勢いで成長していたオスカー デラホーヤ(米)とも対戦しています。ネルソンと激戦を演じ、その名声を上げたエルナンデスとレイハでしたが、飛ぶ鳥を落とす勢いだったデラホーヤには完敗を喫してしまいました。デラホーヤは両者に勝利を収めた後、順当にスーパースターへの階段を上っていきました。ちなみにエルナンデスとレイハがデラホーヤと対戦したのは、スーパーフェザー級ではなく、ライト級でした。

エルナンデス、レイハより数年遅れて登場したのがフレイタスでした。彼が世界王座に就いた時の戦績は21戦全勝全KO勝利。フレイタスの実力は、その戦績に沿うものでした。さすがに世界王座獲得後は対戦相手の質も上がり、判定勝利を経験する事もありました。しかし最後まで、野性味あふれるボクシングを見せ続けてくれました。フレイタスがパーフェクトレコードでスーパーフェザー級王座に君臨していた時期に、他の3団体でも全勝の王者たちが格団体の王座に就いていました。WBAにはキューバの生んだ技師ホルヘ カサマヨール(キューバ)、WBCにはあのフロイド メイウェザー(米)、そしてIBFには長身パンチャー・ディエゴ コラレス(米)。当時のボクシングの専門誌にいは、この4人がいつ誰と対戦するのかという話題で話が盛り上がっていました。フレイタスはカサマヨールに僅差の判定勝利を収めWBA王座を吸収。メイウェザーはコラレスに予想外の快勝を収め、後の偉大なるボクサーは、着実にその地位を固めつつある段階でした。その後カサマヨールとコラレスは同級で2度対戦し、1勝1敗と星を分けています。

(2002年1月に行われた「フレイタス対カサマヨール」)

「この階級、この選手」は、当時を振り返ることを目的で記載しました。その振り返りをもう一度振り返って見ると、当時の記憶がさらに深く蘇ってきます。当時からスーパースター候補生の一人だったメイウェザーでしたが、その後スーパーウェルター級まで制覇するほど成長するとは予想していませんでした。ひょっとしたら現行の同級王者の中から、怪物的ボクサーに成長する選手がいるかもしれませんね。

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今週末の試合予定

2021年05月15日 05時38分22秒 | 世界ボクシング

2021年5月第三週末の主な試合予定です。

15日 土曜日
ドイツ
ヘビー級12回戦:
WBA(休養)王者マヌエル チャー(独)対 クリストファー ラブジョイ(米)

米国・カリフォルニア州
2団体スーパーバンタム級王座統一戦:
WBA(レギュラー)王者ブランドン フィゲロア(米)対 WBC王者ルイス ネリ(メキシコ)

スーパーバンタム級10回戦:
元IBF/WBA王者ダニエル ローマン(米)対 リカルド フランコ(メキシコ)

*上記に挙げた6名の選手、ネリを含め全員、前日計量を無事に終えています。

 

19日 水曜日
後楽園ホール
日本ミドル級戦:
王者竹迫 司登(ワールドスポーツ)対 挑戦者国本 陸(六島)

20日 木曜日
後楽園ホール
ウェルター級12回戦:
OPBF(東洋太平洋)王者豊嶋 亮太(帝拳)対 WBOアジア太平洋王者別府 優樹(久留米櫛間&別府優樹)

21日 金曜日
後楽園ホール
フェザー級12回戦:
OPBF王者清水 聡(大橋)対 WBOアジア太平洋王者森 武蔵(薬師寺)

OPBFバンタム級王座決定戦:
中嶋 一輝(大橋)対 千葉 開(横浜光)

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続「ボクシング 10年」PartⅫ(「恐怖の男」の時代)

2021年05月14日 05時43分03秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)のその後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

昨年の9月にSuperchamp1991というものを購入。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、自分にとって新鮮味がある王者たちが載っています。あの時代から30年。「ボクシング10年」の続編的ものとして各階級の世界王者たちを簡単に紹介していきます。

今回焦点を当てるのはスーパーウェルター級です。まずは1991年春先時点での、同級王者たちの顔ぶれを見てみましょう。防衛回数は当時のものになります。

WBAジュニアミドル級:ジルベール デレ(仏/防衛回数0)
WBCスーパーウェルター級:テリー ノリス(米
/2)
IBFジュニアミドル級:ジャンフランコ ロッシ(伊/4)

このクラスはウェルター級とミドル級の中間に位置するため、スーパーウェルター級、又はジュニアミドル級という呼称で呼ばれています。階級の呼び方についてですが、日本のようにすべての団体を同じように呼ぶのは稀で、今日現在でも、多くの英語のサイトでは、「ジュニア」、「スーパー」の呼び方が入り混じっています。中にはジュニアミドルやスーパーウェルターではなく、ライトミドルと呼ばれる場合もあります。

1990年代初頭の全階級を通じて最強のトップ3の選手として挙げられていたのは、不敗のメキシカン・フリオ セサール チャベス。ライト級の統一王者で、ディフェンスマスターとしてその名をボクシング史に刻んだパーネル ウィテカー(米)。そしてスーパースター、シュガー レイ レナード(米)に引導を渡したテリー ノリス(米)の3名でした。

(ノリスの名を世界に知らしめた「ノリス対レナード」戦)

今回紹介するのは、ノリスが活躍したスーパーウェルター級。ノリスのニックネームはテリブル(Terrible)。当時のノリスは伝説のレナードすら歯が立たなかった、まさに「恐怖(テリブル)の男」でした。そして当然の如くスーパーウェルター級は、ノリスを中心に回っていました。ノリスがその名声を獲得したのが1991年2月に行われたレナード戦。そしてその一戦から数年、ノリスの快進撃は続きました。同年6月には元ウェルター級統一王者ドナルド カリー(米)をも撃退。師走には、竹原 慎二(沖=日本初の世界ミドル級王者)と激闘を演じたホルヘ カストロ(亜)と花の都パリで対戦。大差の判定勝利を収めています。翌年1992年には後のWBA同級王者カール ダニエルス(米)、スーパーライト級、ウェルター級の2階級を制覇したメルドリック テーラー(米)、そして2度ウェルター級王座を獲得したモーリス ブロッカー(米)と名だたる選手たちを次々にその軍門に下しました。1990年代初頭から中盤のノリスは同級だけでなく、ボクシング界の牽引車でした。

(同級、そして当時のボクシング界の牽引車だったノリス。精悍な顔つきです)

最初にノリスのようなスーパースターを出してしまうと、他の選手が霞んでしまうのはしょうがないと言えばしょうがないでしょうな。

WBA王座を保持していたデレはノリスに続くスター候補生でした。この年の2月には、三沢基地に勤務する傍ら、八戸帝拳ジムに所属し、日本、OPBF(東洋太平洋)王座を獲得したカルロス エリオット(米)と、カリブ海に浮かぶフランス領グアドループ島で対戦。エリオットの顎を砕き、念願の世界王座奪取に成功しています。そして10月には本場アメリカのリングに乗り込み、人気者ビニー パジエンザ(米)の挑戦を受けます。しかし残念ながら最終回TKO負けを喫してしまい、短命王者に終わってしまいました。

(スター候補生に留まってしまったデレ)

IBFタイトル保持者のロッシは、現在でも同級世界王座の最多防衛記録(11度)の保持者でもあります。ロッシのボクシングは良く言えばずる賢く、悪く言えば雑のもの。しかしそれでも2度同級王座を獲得し、2つ目のタイトルは11度も防衛したのですから大したものです。またロッシは後に、世界王座返り咲きを狙っていたデレの挑戦を2度退ける事にも成功しています。

(同級タイトル最多防衛記録保持者のロッシ)

まだまだマイナー団体だったWBOの王者は中々の実力者ジョン デビット ジャクソン(米)が君臨していました。ジャクソンは伝説のトーマス ハーンズ(米)が所属していたクロンクジム出身の選手。主戦場としていた階級が重なっていただけに、ハーンズとも何度もスパーリングで拳を交わしていたのではないでしょうか。

ジャクソンはWBOスーパーウェルター級の初代王者として1988年師走にタイトルを獲得。1992年師走までに6度の防衛に成功。その後、王座を返上しミドル級でWBA王座をも獲得しました。ちなみにジャクソンからミドル級王座を奪ったのがノリスに挑戦したカストロで、カストロは後楽園ホールのリングでそのベルトを竹原に奪われています。またジャクソンは引退後、トレーナーとして活躍。一時期ライトヘビー級で安定政権を築いていたセルゲイ コバレフ(露)を指導するなど、その手腕を発揮しています。

(ミドル級も制したジャクソン)

ボクシングに関心を寄せ始めた時、ノリスという素晴らしい選手がいたせいでしょうか。当時からスーパーウェルター級には親しみを感じています。1991年春の時点では、スーパースターへの階段を上り始めたばかりのノリス。しかしこの時期から2年余りのあいだ、ノリスの超快進撃が続きます。初めてこの選手の試合を見たとき、「日本人選手が同級で世界王座を獲得するのは無理だろう」と強く思いました。実際は、ノリスが活躍するずっと以前に、輪島 功一(三迫)、工藤政志(熊谷)、三原 正(三迫)の3人の日本人世界王者が誕生していましたが。

ウェルター級とミドル級という伝統の階級に挟まれている同級ですが、その2階級に負けず劣らずに、常に好選手を輩出し続けています。7月には4団体王座統一戦、IBF/WBA/WBC王者ジャーメル チャーロ(米)対 WBO王者ブライアン カスターニョ(亜)が予定されています。また、個人的に注目しているティム チュー(豪)も同級に在籍中。今後も目が離せない階級となることでしょう。

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正式発表はいつ?(色々:05‐13‐21)

2021年05月13日 05時39分04秒 | 世界ボクシング

最近(2021年5月13日ごろ)のニュースです。

1)試合実現が期待される英国人同士によるヘビー級王座の統一戦、アンソニー ジョシュア対タイソン フューリー。8月7日か14日に、サウジアラビアでの試合開催を目指し最終調整に入っているようです。早く正式に決まってしほしいですね。

2)決行注目していたヘビー級の正式試合(6回戦ですが)、イベンダー ホリフィールドとケビン マクブライド(共に米)による、マイク タイソン(米)に勝利を収めた同士の超シニア対決。本来は来月に行われる予定でしたが、どうやら7月以降を目処に日程の再調整が行われているようです。

3)先週末にビリー ジョー ソーンダース(英)を下し、それまで保持していたWBA(スーパー)とWBCスーパーミドル級王座に加え、WBOのベルトも腰に巻くことに成功したサウル アルバレス(メキシコ)。9月を目処に、IBF王者カレブ プラント(米)との4団体王座統一戦実現に向け交渉を始める予定です。

4)ここ数戦のアルバレスの強さは際立っています。しかしここ四半世紀の間、ジェームス トニー(米)、ロイ ジョーンズ(米)、ジョー カルザゲ(ウェールズ)、ミッケル ケスラー(デンマーク)、アンドレ ワード(米)等実力選手たちを継続的に輩出してきたスーパーミドル級。カネロ(アルバレスのニックネーム)以外は3流の選手たちが顔を並べています。プラント戦が実現すれば、アルバレスが問題なく勝利を収める事でしょう。しかしその後はどうするのでしょうかね?ソーンダース戦後には、「2022年もスーパーミドル級で戦っていく」というコメントも残しているようですが。

5)「アルバレス対ソーンダース」戦の前座で、高山 勝成(寝屋川石田)をあまりにも早すぎるレフィリーストップによるTKO勝利を収めたWBOライトフライ級王者エルウィン ソト(メキシコ)。次戦では、WBA同級スーパー王者京口 紘人(ワタナベ)と王座統一戦を行う可能性があるようです。

6)今月22日、23日に東京都墨田区総合体育館で予定されていた複数のタイトル戦は、同会場が緊急事態宣言のため会場を閉鎖しているため、6月、7月を目処に後楽園ホールに会場を移して再スケジュールされる見通しです。

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英国初登場のビボル、判定でV9(WBAライトヘビー級:スーパー王座)

2021年05月12日 05時55分57秒 | 世界ボクシング

今月1日、英国で行われた試合結果です。
WBAライトヘビー級戦(スーパー王座):
王者ドミトリー ビボル(キルギスタン)判定3対0(118-110、115-113、115-114)挑戦者クレイグ リチャーズ(英)

*コロナウィルスの影響で、2019年10月以来の試合となったビボル。自身18戦目の試合で、初の英国のリングに登場。当地出身のリチャーズに、明白な判定勝利を収めると共に、5年前にまずは暫定王座として獲得した王座の9度目の防衛に成功しています。

ビボルが最後にKO/TKO勝利を収めたのは2018年3月。その後5試合は、すべて判定決着。すでにWBAレギュラー王者ジャン パスカル(カナダ)やWBO王者ジョー スミス(米)をその軍門に下しているビボル。安定度では同級No1ですが、少々安全運転に走る傾向があるようです。

ビボルを含めたライトヘビー級王者たちの顔ぶれは、下記のようになります(2021年5月12日付)。

WBA(スーパー):ドミトリー ビボル(キルギスタン/防衛回数9)
WBA(レギュラー):ジャン パスカル(カナダ/1)
WBA(暫定):ロビン クラスニキ(独/0)
WBC:アルツロ ベテルビエフ(露/1)
IBF:アルツロ ベテルビエフ(露/4)
WBO:ジョー スミス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):レーガン デサイクス(豪/0)
WBOアジア太平洋:ガサン ガサノフ(露/0)

 

ミドル級強10回戦:
WBA暫定王者クリス ユーバンク 判定3対0(98-92x3)マーカス モリソン(共に英)

*2019年師走に、WBAミドル級の暫定王座に返り咲いて以来の試合となったユーバンク。同国人モリソン相手に無難な判定勝利を収め、リング復帰戦を飾っています。

その存在も、ボクシングスタイルも面白いユーバンクなだけに、彼から見てWBAの格上王者である村田やララとの一戦を実現させてほしいですね。そして下記が2021年5月9日現在の、ミドル級のタイトル保持者の顔ぶれとなります。

WBA(スーパー):村田 諒太(帝拳/防衛回数1)
WBA(レギュラー):エリスランディ ララ(キューバ/0)
WBA(暫定):クリス ユーバンク(英/0)
WBC:ジャモール チャーロ(米/3)
IBF:エロール スペンス(米/4)
WBO:デメトリアス アンドラーデ(米/4)
OPBF(東洋太平洋):竹迫 司登(ワールドスポーツ/0)
WBOアジア太平洋:野中 悠樹(井岡弘樹/1)
日本:竹迫 司登(ワールドスポーツ/3)

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