「ふぐり」とは、漢字で「陰嚢」と書く。つまりタマタマのことである。何故かこの名前の付いた植物がある。「オオイヌノフグリ」という名の野草である。他にも「タチイヌノフグリ」という野草もあるそうだ。どちらも実が犬のタマタマに似ていることからこの名が付いたという。
植物にとっては迷惑なことだろうが、世の中にはとんでもない名前をつけられたものも多い。
以前にも取り上げたことがあるが、その匂いから名が付いた「ヘクソカズラ」。その昔、紙が貴重な時代、厠(かわや)つまりトイレの落し紙として植物の葉が使われたそうだが、葉裏に棘があることから、継子(ままこ)の尻をこれで拭く、という意味で付いたという「ママコノシリヌグイ」。
他にも「ワルナスビ」やら、「ハキダメギク」などというのもある。
魚類にも、差別用語を名に持つ魚が多いらしい。「メクラウナギ」「メクラアナゴ」「オシザメ」「セムシウナギ」「バカジャコ」「イザリウオ」etc.
日本魚類学会では、これらの差別用語を使うのをやめて改名することにしたそうだ。
鳥の世界にも「アホウドリ」や「トウゾクカモメ」「ハゲタカ」などの不名誉な名の鳥もいる。花も魚も鳥も、彼等は皆、自分につけられた名前など知らずにいるのだろうに。
最近もの忘れが多く、髪は少なくなった我が名も「ワスレナグサ」から「ワスレグサ」あるいは「ハゲナグサ」に改名する日が近いかもしれない。
2007.03.15