深まる秋に、気が付くともう霜月。木枯らし1号が吹いた東京は、真っ青に晴れ上がった空に雲ひとつない秋晴れ。
浅草寺本堂50周年記念行事で賑わう境内では、菊花展が開かれ、菊の香りに満ち溢れている。
白一色の千輪咲きと、三色千輪咲きの前では、皆が一様に「ウワァ~、すごい」と歓声をあげ、見事な鉢植えを覗き込むように見入っていた。
漂う菊の香りは、冬支度を促す合図か? 首に捲いたマフラーが冬の到来を告げている。
傾きかけた秋の日射しは眩しく、そしてどこか淋しげに人の影を長く伸ばし、行く秋を惜しむようだった。