勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

秋を探して

2010-09-20 22:45:15 | Weblog



マッチを擦ればおろしが吹いて
線香がやけにつきにくい
さらさら揺れる吾亦紅
ふと あなたの吐息のようで・・・


彼岸が来るというのに、残暑はまだまだ厳しいようだが、そんな中、秋を探しに出かけた向島百花園は、夏と秋が同居していた。

 「四季百花の乱れ咲く園」という意味で名付けられた、向島百花園の秋といえば萩のトンネル。花は少し遅れているようだが、トンネル内を吹き抜ける風は涼しく、咲き始めた紫がかった薄紅色の花が、訪れる人に秋を運んでくれる。


園内では、秋の七草のひとつ女郎花(おみなえし)が、残暑に照らされその色をひときわ輝かせていた。


♪花が女か男が蝶か・・・
黄色い花が女郎花(おみなえし)なら、男郎花(おとこえし)という白い花もある。
女郎花の花言葉は『美人』、男郎花の花言葉は『野生味』だとか・・・


来る22日は中秋の名月、百花園では9月21日~23日まで月見の会が開かれるが、絵行灯に明かりが灯され、祭壇にはススキ、団子、野菜などが供えられ、篠笛や琴の演奏も行われる。
 
 秋の七草のひとつ、風に葉の裏を見せる葛に、夏の終わりを知る。『恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉』と詠われた葛の葉。猛暑の夏の恨みを言ってみても、夏はもう過ぎてしまった。 


風にサラサラと揺れる吾亦紅には秋を知る。

 

向島百花園には数種の吾亦紅がある。トップ画像の吾亦紅のほかに、長穂の赤吾亦紅(ナガボノアカワレモコウ)と長穂の白吾亦紅(ナガボノシロワレモコウ) である。


「吾も亦 紅なりと ひそやかに」 高浜虚子


敬老の日に因んで、向島百花園は21日まで60歳以上は無料であり、僕もその恩恵に預かった。そこでは多くの秋が迎えてくれた。