勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

返り咲き

2014-11-15 19:42:13 | Weblog
 季節外れに花が咲くと、人はそれを狂い咲きという。我が家の瀬戸の月という風流な名のヤマアジサイが、6月に咲いたことを以前のブログで取り上げた。


 これはその時の画像であるが、青々とした葉と薄い青紫の花が鬱陶しい梅雨の時期を癒してくれた。この花の開花期は5~6月頃である。ところが夏が終わり、秋の気配が漂い始めたころから散った葉が芽吹き、一枝だけ葉を茂らせ、やがて何を勘違いしたのかその葉の先に蕾を付けていた。


 北国からは雪の便りが届くというのに、我が家の瀬戸の月は数日前から花を開き、秋の花の代表である糸ススキと共演を始めたのである。


 こんな健気な花を狂い咲きなどと言っては花がかわいそうである。そんな時、日本語には『返り咲き』といういい言葉がある。桜守の佐野藤右衛門さんは、「桜に狂い咲きは絶対にない」という。桜が季節外れに咲くのにはそれなりの理由があるのだそうだ。我が家のヤマアジサイにも今咲かなければならないわけがあったに違いない。この時期に返り咲いてくれた瀬戸の月を愛でながら、我が人生には返り咲きも狂い咲きも望むべきもないことを思い知るのである。