私は少なくても2ヶ月に1回は映画館で映画を見る。
109シネマズのブルー会員なのでいつも無料でエグゼクティブシートに座り、
シートをリクライニングして踏ん反り返って観ているのだ。
ここ数年、映画館へ行くときは3DIMAXや2DIMAXの作品ばかりを選んできた。
3Dには最初懐疑的だったが、今はエンタメの一つのあり方として支持している。
私にとって映画館で映画を観るというのはアトラクションのようなもので、
視覚的にも聴覚的にも家では味わえない特別なものである必要があった。
クリストファー・ノーラン監督の映画は必ず映画館で観ると言えば、
きっと私にとっての映画館の位置づけを少しは理解してもらえるかもしれない。
それに加えて最近は今まであまり好きじゃなかったアクション系を映画館の大迫力演出で観たいという欲求が生まれ、
2月にダークホースコミックの注目映画『アクアマン』を3DIMAXで観たばかりだ。
そのとき夫はライアン・ゴズリング主演の『ファーストマン』を勧めてきたが私の意志は硬かった。
アメリカの徹底したエンターテイメントのすごさに改めて感激していた時期ということもあったけれど、
堅苦しさからかけ離れたそういう軽いノリにどこかで憧れていたのかもしれない。
ディズニーとかマーベルとかDCを思いっきり楽しめる人生というのもある意味魅力的だと思う。
しかし映画にも向き不向きがあるようであまりに綺麗な3D映像に酔ってしまい20分くらい意気消沈していた。
ストーリーも想像の範囲内で、半ば無理やり連れていった夫にも申し訳なかった。
薄々感じていたけれど私は身体的に3D映像が苦手かもしれない。
そんな反省もあり先日久々にヒューマンドラマを映画館で観てきた。
アカデミー賞で作品賞他を受賞した『グリーンブック』だ。
これがよかった。
本当いちいち自分で体験しないとわからない。
今は自信を持って言える、映画館にはやっぱりちゃんと面白い映画を観に行こう。
『グリーンブック』おすすめです。
以下ネタバレになるので観てない人は読まないように。
『グリーンブック』
監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・バレロンガ
ブライアン・ヘインズ・クリー
ピーター・ファレリー
出演者:ヴィゴ・モーテンセン
マハーシャラ・アリ
音楽:クリス・バワーズ
『グリーンブック』(Green Book)は、ジャマイカ系アメリカ人のクラシック及びジャズピアニストであるドン"ドクター"シャーリーと、
シャーリーの運転手兼ボディガードを務めたイタリア系アメリカ人の警備員トニー・ヴァレロンガによって1962年に実際に行われた、
アメリカ最南部を回るコンサートツアーにインスパイアされた2018年のアメリカの伝記コメディ映画。(Wikipediaより)
単純に面白かった。
実際の上映時間は130分と少し長めにもかかわらず、体感時間は90分くらいだった。
Wikipediaの説明にあるような伝記コメディ映画というよりはロードムービーに近い。
実話を元に作られた映画なので基本的にストーリーは単調だが、
主役二人のキャラクターがとても魅力的で観る者を最後まで引っ張っていってくれる。
俳優の二人が本当に素晴らしいのだと思う。
配役を決める人ってすごいんだなと思った。
ヴィゴ・モーテンセン演じるトニーなんか、アラゴルンと同一人物だなんて信じられないよ。
厳しい人種差別社会の中でシンプルに人対人になっていくトニーとドンの関係性に感動した。
カーネギーホールの上階に住むピアニストのドンは黒人にも白人にもなりきれず宙ぶらりんの孤独の中にいたが、
乱暴で大雑把だけど気のいいボディーガードのトニーと少しづつ信頼関係を築いていく。
人の暖かさ優しさに包まれるような映画だった。
これこそ笑いあり涙ありのヒューマンドラマだと思う。
個人的にはドンが頬の傷を鏡ごしにファンデーションで隠している場面に胸が痛くなった。
その後友人に会いに行くトニーを契約内容を変えて引き留めようとするドンと、
ドンとの契約を降りるつもりはないと伝えるトニーに涙腺が崩壊。
それからやっぱりケンタッキーフライドチキンの場面は最高だった。
客席にも笑い声が響いていた。
映画館へは本当ちゃんと面白い映画を観に行こう!
次はアニメ『バースデーワンダーランド』とハリウッド版『ゴジラ』を観に行くぞー!