夢の話である。
今からだらだらと夢の話をする。
私がアメリカのスーパーハイスクールに入学し体験したとんでもないペナルティについて。
スーパーハイスクールという言葉があるのかは知らないけれど、
ここではスーパーエリートを育てるための設備が整ったお金のかかる学校という意味で使っている。
なぜ今更そんなところに入学するのかはさておいて、
潜在的な私独自のエリート感が反映しているのかとんでもない体験を強いられることとなった。
まずダンスと歌の授業があって私はその先生にとても嫌われていた。
まだ30過ぎたくらいの黒人女性の先生だった。
明確な理由はわからないが、乗り気でない私の態度が気に食わなかったのだろう。
その先生は私にペナルティとして放課後に40キロ走ることを命じてきた。
まぁ走るだけなら余裕さ(そんなわけないんだけど)と思ってその命に従った。
コースは決まっていてたくさんの生徒が走っている。
皆それぞれにペナルティを課されたのだろう。
どんどん進むうちにコースが少しずつおかしくなっていき私は不安になった。
大きな岩肌がぼこぼこと乱立する険しい山道を抜けると、
今度は海の中に続く大きな岩場がありコースはその先端まで続いている。
遠目から見ると前を走っていた生徒たちは皆その岩場に消えていく。
私もやっと岩場の先端に着くと後続もちらほら集まってきた。
どう見てもそこで道は途切れている。
しかし誰かがレバーらしきものを見つけて引くと岩場が避け下の方へ続く洞窟が出てきたのだ。
ランニングのペナルティがまさかこんなインディージョーンズみたいな展開になるとはね。
どうやらここら辺に私独自のエリート感が反映されているらしい。
私たちは戸惑いつつも迷わず中に進んだ。
いつの間にかそこに居合わせた10人程度の生徒の間に仲間意識が芽生えたようで、
みんなでこのペナルティを達成するんだという新たな目標を共有することになった。
なぜだかマラソンペナルティは冒険へ、
そして洞窟を抜けるだけの単純な冒険が今度は生き残りをかけたデスゲームへと移行していた。
気づいたら私たちはチーム戦でいかに早くこの洞窟を脱出するかというゲームに参加していた。
もし時間内に脱出できなければ命を落とすこともある非常に危険なゲームだ。
もうペナルティどころの話じゃない。
走り、泳ぎ、細い隙間をギリギリで通り抜け、
走り、飛び込み、とにかく私たちは前へ進んだ。
水の滴る薄暗い道を突き進むとだだっ広い空間にでた。
そこでコースが二手に分かれていた。
一方は左に大きく迂回する遠回りのコース、
もう一方は目の前の崖を飛び降りて下に広がる湖を泳ぎ対岸へ進む時短コース。
しかし崖は30mくらいの高さがあり、並大抵の勇気では飛び降りることはできない。
そんな中あとからきたチームは迷わず迂回し私たちを追い越して行った。
ここら辺の洞窟描写は貴志祐介の『新世界より』に影響を受けてるのだろう。
ここまでの道のりで皆かなり疲弊し一人で歩けない者もいた。
もうタイムリミットも迫っている、安全な道で悠長に遠回りしている場合じゃない。
しかしだからと言ってけが人を30mの崖から突き落とすわけにも行かない。
私は命惜しさに一人飛び込もうと構えていたら腕を強く引き戻された。
振り返ると筋肉質な体にもっさり髪の日本人の男子生徒がこちらを睨みつけていた。
漫画の主人公みたいな見た目のやつだった。
そして開口一番
「みんなで力を合わせて一人残らず生き延びるんだよ!絶対にみんなで助かるんだ!」
と怒鳴られ、「そのために君も協力してくれ」だって。
そんなんかっこよすぎるでしょ。
私はコロッとやられて、改めて仲間意識を持ち直し出会ったばかりの彼らに強い情を抱いた。
我ながら単純。
そしてそのリーダーがついに時短コースのカラクリを発見した。
異様に出っ張った岩を探ると下に続くウォータースライダーのような道が出てきたのだ。
これならけが人でも安全に下へ行ける。
スライダーは下の湖に続いており多少は泳がなければ岸には着かないのだが、
飛び降りるより断然安全だった。
仲間は順番に下へすべり降りていくのだが、
時間が差し迫り焦燥にかられ私は思い切って崖を飛び降りた。
他にも健康な者は何人か飛び降りた。
落ちているときの心臓が浮く感じが妙にリアルだったのを覚えている。
目をつむっていたので湖に入ったのかはわからなかったが、
体にまとわりつく重力が変わったのはわかった。
目を開けると水深10mくらいまで沈み込んでいた。
洞窟内なので光なんて差し込むわけもないのに見上げると水面がキラキラしていた。
すべての者が下へ降りたのを確認して最後にリーダーも飛び込んできた。
そしてみんなで手に手をとってどうにかこうにか時間内に洞窟を脱出したのだ。
あのとき彼が止めてくれなければ、一人命助かったとて一生罪悪感に苛まれることになっただろう。
これがエリートを育む教育なのか。
目が覚めてぼーっとした頭で
「高校生にしてなんて頼り甲斐のある男なんだろう、彼の将来が楽しみだ」と思った。
それに比べて32歳の心で挑んだ高校生活において自分の情けなさたるや、困ったね。
夢って潜在意識に関係しているというけれど、
いったいどんな潜在意識が反映したらこんな夢を見るんだろう。
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そんなとこ入ってたら、どっかに送っちまいますよ。
今からだらだらと夢の話をする。
私がアメリカのスーパーハイスクールに入学し体験したとんでもないペナルティについて。
スーパーハイスクールという言葉があるのかは知らないけれど、
ここではスーパーエリートを育てるための設備が整ったお金のかかる学校という意味で使っている。
なぜ今更そんなところに入学するのかはさておいて、
潜在的な私独自のエリート感が反映しているのかとんでもない体験を強いられることとなった。
まずダンスと歌の授業があって私はその先生にとても嫌われていた。
まだ30過ぎたくらいの黒人女性の先生だった。
明確な理由はわからないが、乗り気でない私の態度が気に食わなかったのだろう。
その先生は私にペナルティとして放課後に40キロ走ることを命じてきた。
まぁ走るだけなら余裕さ(そんなわけないんだけど)と思ってその命に従った。
コースは決まっていてたくさんの生徒が走っている。
皆それぞれにペナルティを課されたのだろう。
どんどん進むうちにコースが少しずつおかしくなっていき私は不安になった。
大きな岩肌がぼこぼこと乱立する険しい山道を抜けると、
今度は海の中に続く大きな岩場がありコースはその先端まで続いている。
遠目から見ると前を走っていた生徒たちは皆その岩場に消えていく。
私もやっと岩場の先端に着くと後続もちらほら集まってきた。
どう見てもそこで道は途切れている。
しかし誰かがレバーらしきものを見つけて引くと岩場が避け下の方へ続く洞窟が出てきたのだ。
ランニングのペナルティがまさかこんなインディージョーンズみたいな展開になるとはね。
どうやらここら辺に私独自のエリート感が反映されているらしい。
私たちは戸惑いつつも迷わず中に進んだ。
いつの間にかそこに居合わせた10人程度の生徒の間に仲間意識が芽生えたようで、
みんなでこのペナルティを達成するんだという新たな目標を共有することになった。
なぜだかマラソンペナルティは冒険へ、
そして洞窟を抜けるだけの単純な冒険が今度は生き残りをかけたデスゲームへと移行していた。
気づいたら私たちはチーム戦でいかに早くこの洞窟を脱出するかというゲームに参加していた。
もし時間内に脱出できなければ命を落とすこともある非常に危険なゲームだ。
もうペナルティどころの話じゃない。
走り、泳ぎ、細い隙間をギリギリで通り抜け、
走り、飛び込み、とにかく私たちは前へ進んだ。
水の滴る薄暗い道を突き進むとだだっ広い空間にでた。
そこでコースが二手に分かれていた。
一方は左に大きく迂回する遠回りのコース、
もう一方は目の前の崖を飛び降りて下に広がる湖を泳ぎ対岸へ進む時短コース。
しかし崖は30mくらいの高さがあり、並大抵の勇気では飛び降りることはできない。
そんな中あとからきたチームは迷わず迂回し私たちを追い越して行った。
ここら辺の洞窟描写は貴志祐介の『新世界より』に影響を受けてるのだろう。
ここまでの道のりで皆かなり疲弊し一人で歩けない者もいた。
もうタイムリミットも迫っている、安全な道で悠長に遠回りしている場合じゃない。
しかしだからと言ってけが人を30mの崖から突き落とすわけにも行かない。
私は命惜しさに一人飛び込もうと構えていたら腕を強く引き戻された。
振り返ると筋肉質な体にもっさり髪の日本人の男子生徒がこちらを睨みつけていた。
漫画の主人公みたいな見た目のやつだった。
そして開口一番
「みんなで力を合わせて一人残らず生き延びるんだよ!絶対にみんなで助かるんだ!」
と怒鳴られ、「そのために君も協力してくれ」だって。
そんなんかっこよすぎるでしょ。
私はコロッとやられて、改めて仲間意識を持ち直し出会ったばかりの彼らに強い情を抱いた。
我ながら単純。
そしてそのリーダーがついに時短コースのカラクリを発見した。
異様に出っ張った岩を探ると下に続くウォータースライダーのような道が出てきたのだ。
これならけが人でも安全に下へ行ける。
スライダーは下の湖に続いており多少は泳がなければ岸には着かないのだが、
飛び降りるより断然安全だった。
仲間は順番に下へすべり降りていくのだが、
時間が差し迫り焦燥にかられ私は思い切って崖を飛び降りた。
他にも健康な者は何人か飛び降りた。
落ちているときの心臓が浮く感じが妙にリアルだったのを覚えている。
目をつむっていたので湖に入ったのかはわからなかったが、
体にまとわりつく重力が変わったのはわかった。
目を開けると水深10mくらいまで沈み込んでいた。
洞窟内なので光なんて差し込むわけもないのに見上げると水面がキラキラしていた。
すべての者が下へ降りたのを確認して最後にリーダーも飛び込んできた。
そしてみんなで手に手をとってどうにかこうにか時間内に洞窟を脱出したのだ。
あのとき彼が止めてくれなければ、一人命助かったとて一生罪悪感に苛まれることになっただろう。
これがエリートを育む教育なのか。
目が覚めてぼーっとした頭で
「高校生にしてなんて頼り甲斐のある男なんだろう、彼の将来が楽しみだ」と思った。
それに比べて32歳の心で挑んだ高校生活において自分の情けなさたるや、困ったね。
夢って潜在意識に関係しているというけれど、
いったいどんな潜在意識が反映したらこんな夢を見るんだろう。
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そんなとこ入ってたら、どっかに送っちまいますよ。