歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

家庭内ホラーの行方

2022年01月09日 | 日記
「この曲知ってる?めっちゃいいよ。」

「いやその動画一緒に見たじゃん。」

夫とよくする会話のパターン。

私は、いや一緒に見てないよ、と思う。

本当にそうか、ともう一度自分に問うてみる。

どう考えても一緒に見ていない。

二人とも「?」を抱えて話は後ろに流れていく。

この「?」を共有できればそれでいい。



人と一緒に住むというのはホラーに近いところがある。

夫は飲み物や食べ物の温度をとても大事にしている。

決して几帳面なタイプではないが、こだわりは強い。

冷たい飲み物には氷をいっぱい入れるし、買ってきた焼き菓子は必ず少し温める。

熱々のスープは適温まで冷ますし、挙句それを私にまで強要してくる。

わけがわからない。

その善意がちょっとこわい。



私が彼の行動でもっとも理解し難いのがタンブラーや高性能のジョッキをよく買うことだ。

そんなものひとつあればそれで事足りる。

洗うのが億劫ならせめて2個までだ。

それがことあるごとに買ってくる。

タンブラーを置いてあるシンク下のスペースがもういっぱいだ。

どう考えても無駄遣いである。

もう買わないでくれとお願いしても怒ってみてもやめない。

11月の展覧会から帰ってきて新しいブツが増えていた時は途方にくれた。

理由を聞いてもいつも濁して要領を得ない。

本当に意味がわからない。

頭が混乱するのだ。

生活空間に潜むミステリ。

足を踏み入れてはならない奈落の入り口。



夫は驚くほど家事ができない。

というか意識が向かない。

その夫が冷蔵庫の製氷機にこまめに水を補充したり、

奥に片付けたサーモスのジョッキを見つけ出し氷をたくさん入れてコーラを飲んでる姿はやばい。

なんか変なんだよ。

こまめに水を補充する姿も、サーモスのジョッキを探す姿も尋常じゃない。

その姿を見てつい大笑いしてしまった。

一貫性がありすぎてもはやコメディ。


東京で雪が降りました。
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