歩くたんぽぽ

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こころの時代

2019年12月06日 | 日記
ネットの誹謗中傷で韓国のアイドル、ク・ハラが自ら命を絶ったというニュースがなんだか頭から離れない。

とても綺麗な子だったし、グループの中でもっとも目立つ位置にいたように記憶している。

韓国は書き込みが過激だというけれど、きっとどこの国もそこまで変わらないでしょう。

匿名で悪質な誹謗中傷を書く側は言語道断だけど、

実態のない言葉で死を選ぶほど追い詰められてしまう人がいる現状にやるせなくなる。



なんで自らの言葉に責任を持たない他人の妄言にそこまで振り回されてしまうのだろう。

と、ずっと不思議に思っていたけど、匿名って考えようによっては攻撃力が倍増するのかもね。

「匿名」イコール「実態がない」と判断するのは性急に過ぎるか。

なぜなら匿名で書く場合その内容は本音である可能性が高いからだ。

本名で言葉を発するとき、多かれ少なかれ人は他人に対して理性が働く。

こう考えると不思議な現象が起きる。

「匿名で語るときー本音」

「本名で語るときー建前」

わかっていたことではあるけれど、改めてこうやってみるとなんかおかしいな。

冨樫義博の漫画『レベルE』で主人公が本音と建前を間違える場面には笑った。



あるいは匿名云々というより、質より量ということもあるのかもね。



ストレス発散の手段、面白半分、単純な悪意あるいは一方的な正義感。

今までは建前の中にしまって表面化することのなかった思いが、

良くも悪くも堰を切ったようにこのSNS時代に噴出しているんじゃないかな。

その負の部分が人の死を通して具現化している。



人間誰しもこころの奥底には真っ黒いものが潜んでいる?

確かにそういう一面もあるのかもしれない。

でも最初にあるのは真っ黒いものというよりその種のようなものなんだと思う。

気軽に発信できるSNSはその種の成長を促す肥料の役割をしていて、時代が悪意を育てている。



帰る場所のない悪意がネットの世界に積もっていく。

無責任に放たれた言葉がウイルスみたいに誰かのこころを蝕んでいく。

OZさながらの増殖力で一気に膨れ上がった悪意を一身に受ける苦しみは計り知れない。

人を傷つけるということに対して、もう少しだけ想像を働かせることはできないだろうか。



SNSってのは情報収集とか宣伝とかライトなコミュニケーションツールとしてやはりとても便利だ。

でもそいつとの関わり方は人間側が自覚的にコントロールしなきゃいけない。

嫌な言葉には壁を作ればいい、傷つく言葉は見なくていい、辛いなら手放そう。

頼むからそんな無責任な言葉に傷つかないでおくれ。



これから本当に心配なのは子供だ。

小学生がスマートフォンを持つ時代である。

人に対する距離感や言葉に潜む違和感など物事の判断が難しい無防備な子供が、

ネットという無法地帯に軽々と足を踏み入れることができてしまう。

先月起きた小学生誘拐事件も発端はSNSのやりとりだったという。



時代というのはいったいなんなのだろう、便利な言葉だね。

今はどういう時代なんだろう。

令和、IT時代、長期安倍政権時代、過渡期、21世紀、00年代ならぬ10年代、個の時代。

何もかもが尊重されるハラスメント時代、何もかもが嫌悪されるハラスメント時代。



あえて言うならこころの時代。

いつだってそうなんだけど、今こそ強く生きなければいけないと思うんだ。

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