とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「劇場版『トリリオンゲーム』」(ネタバレ注意)

2025-02-15 23:59:00 | 映画
目黒蓮主演で2023年にTBSで放送されたTVドラマの映画化。

目黒蓮が演じる破天荒で人たらしのハルと、佐野勇斗が演じる心優しい凄腕エンジニアのガクがビジネスの世界で成り上がる。
二人が起業した会社の名前が「トリリオンゲーム」。

日本でも計画されている統合型リゾート(IR)ビジネスを先取りした内容。
作品の舞台は瀬戸内海の架空の島。
マカオのカジノ王と協業してカジノをオープンしたが、策謀にはめられてカジノ事業を乗っ取られてしまう。

ハルとガクはすべてをかけた勝負に挑み、一発逆転という内容。

ストーリーうんぬんよりも、ハルを演じる目黒蓮がかっこよすぎる。
現実にはこんなやつはいないだろうと思いつつ、見惚れてしまう。

続編もありそうで、目黒蓮の当たり役になりそうで楽しみ。

点数は、6点(10点満点)。

タイトル:劇場版『トリリオンゲーム』
製作年:2025年
製作国:日本
配給:東宝
監督:村尾嘉昭
主演:目黒蓮
他出演者:佐野勇斗、今田美桜、福本莉子、鈴木浩介、竹財輝之助、あかせあかり、原嘉孝、津田健次郎、シシド・カフカ、田辺誠一、石橋凌、吉川晃司、國村隼
上映時間:118分


坂本龍一 音を視る 時を聴く(東京都現代美術館)

2025-02-15 23:50:00 | 美術館
東京都現代美術館にて、坂本龍一 音を視る 時を聴くを鑑賞。
土曜日の午前ということもあり、会場はとても混雑しており、客層も多国籍であり、年齢層も幅広かった。

坂本龍一といえば、YMO(Yellow Magic Orchestra)の楽曲や「戦場のメリークリスマス」、「ラストエンペラー」などの映画音楽が思い浮かぶ。
この展覧会では、時間と空間と音の連関を表現した作品が並ぶ。

時間に対する人間の感覚が一定ではなく、人間の主観によって100年が長く感じたり短く感じたりといった「主観時間」に芸術性を見出していたのではないか。
その時間に対して、音がどう関わってくるのか、音も一定ではなく、空間と絡み合いながら変化していく。
時間、空間、音の三要素を再現する手段として、映像を捉えていたのだろう。

結局、巡り巡って、人間の日常生活を自由に過ごすことに返ってきているのかなとも感じた。



霧の彫刻

「敵」(ネタバレ注意)

2025-02-10 23:59:00 | 映画
吉田大八監督作品。
主役のフランス文学の元大学教授に長塚京三。
妻に先立たれ、子供もなく、都心の一軒家で、悠々自適の一人暮らし。
毎日のルーティーンを丁寧に過ごしている。
自炊する食事シーンは食欲をそそられる。
長生きするために切り詰めた生活をする気はなく、金が尽きれば尊厳死を望んでいることを口にしている。

教え子や昔からの仲間との付き合いもあり、充実していた生活が「敵」という言葉を意識し始めてから崩れ始める。
妄想と夢と現実が混じり合って精神的に追い詰められていく。

性と生への執着が幻想を呼び起こしているのだと思うが、無意識であろうが、抗おうとするほどに制御が効かなくなる。
「老いること」を理屈では受け容れていても、反発する部分が残っているが故のせめぎ合い。

主人公がどういう死に方をしたのかは描かれていないが、死んだことを認めていないとでもいうようなエンディング。
なかなか達観することはできないものなのだろう。
それもまた人間らしさだ。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:
製作年:2024年
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ、ギークピクチュアズ
監督:吉田大八
主演:長塚京三
他出演者:瀧内公美、黒沢あすか、河合優実、松尾諭、松尾貴史
上映時間:108分


「ファーストキス 1ST KISS」(ネタバレ注意)

2025-02-08 23:59:00 | 映画
松たか子主演、坂元裕二脚本で描く恋愛ファンタジー。
塚原あゆ子監督は、「ラストマイル」、「グランメゾン・パリ」と大作が続く。

松たか子が演じるカンナが事故死した夫と出会った15年前にタイムスリップして、夫の事故死がなかった未来を実現しようと奮闘する話。
最終的に、夫とは出会わなかったし、結婚もしなかった未来を実現しようとする。

夫役に松村北斗。マイペースで適度にうざい感じの演技がよかった。

過去に戻ることで未来を変えられたら、変えたいのが人の性だが、そんなことはできない。
何でもない日常生活の中に幸せはあるというメッセージだと思うが、そうも思えないのも人間の性だ。
だからこそのファンタジーだ。

しばしファンタジーに浸ってみるのも悪くない。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:ファーストキス 1ST KISS
製作年:2025年
製作国:日本
配給:東宝
監督:塚原あゆ子
主演:松たか子
他出演者:松村北斗、吉岡里帆、森七菜、YOU、竹原ピストル、松田大輔、和田雅成、鈴木慶一、神野三鈴、リリー・フランキー
上映時間:124分


「サンセット・サンライズ」(ネタバレ注意)

2025-02-07 23:59:00 | 映画
菅田将暉主演、宮藤官九郎脚本で面白くないわけがない。
東京の会社のサラリーマンが、三陸の港町へ移住して趣味の釣りを満喫しつつ、リモートワークしながら地元に溶け込んでいく。
既に懐かしくなりつつあるコロナ禍でのソーシャル・ディスタンスや東日本大震災がストーリーに織り込まれている。

東京から移住してきたサラリーマン、西尾を菅田将暉が演じる。
西尾に家を貸す大家であり、役場の職員で空家問題を担当する百香を井上真央が演じる。
百香の義理の父親で漁師の章男を中村雅俊が演じる。
百香の夫であり章男の息子と百香の子供たち、章男の妻は東日本大震災で亡くなったという設定。

「サンライズ」、「サンセット」だから中村雅俊が配役されたのだろうか。

田舎の閉鎖性と都会の無神経を滑稽さを交えて描いている。
間に挟まれた西尾は悩みながらも前に進もうとする。

「モモちゃんの幸せを祈る会」のメンバー(竹原ピストル、山本浩司、好井まさお、三宅健)と西尾の触れ合いが見所の一つ。

三陸を舞台にしているが、コロナ禍を経て、全国で都会からの移住者と現地住民の融合は進んでいるのだろうか。
結局は歩み寄りであり、変化を前向きに受け入れるということだと思う。
どこに行っても安住の地はないが、地獄もない。
人生100年時代とはいえ、人は日々老いていく。
思い立ったが吉日、好きなことはできるときにやらないといけない。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:サンセット・サンライズ
製作年:2024年
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:岸善幸
主演:菅田将暉
他出演者:井上真央、竹原ピストル、山本浩司、好井まさお、藤間爽子、茅島みずき、三宅健、池脇千鶴、小日向文世、中村雅俊
上映時間:139分