とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

ヘレン・シャルフベック展 (東京藝術大学大学美術館)

2015-07-11 18:55:11 | 美術館
画家の作品に表れる人生の軌跡が見れ、興味深かった。
画家にとって、絵画を描くための技術・技法は重要だ。
が、なぜ描くか、何を描くかに個性が反映され、他の画家との差別化の要因になる。

シャルフベックにとって絵画は自分の心情やモデルとなる人物の本質を表現するものであった。
特に貧しいながらも懸命に生きる人を描くことに創作意欲が湧いたらしい。

若き日の自分の作品に対する「再解釈」であったり、晩年の自画像であったり、
自分自身に対してさえ、モチーフとして、客観的な目を持っていたことが、
見る人の心を捕える作品を残せた所以であったように感じた。

職人気質で生真面目、かつユーモアがありファッショナブルなところもある
まさにフィンランド人の国民性を体現する画家だった。

展覧会サイト:ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし