とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「屍者の帝国」 (ねたばれ注意)

2015-10-13 23:14:41 | 映画
2009年に34歳で亡くなった小説家・伊藤計劃の3作品をアニメ映画化する「Project Itoh」の第一弾。

死者蘇生技術により、屍者を労働力として活用している社会という発想は斬新ではある。
原作の設定が省かれているのかもしれないが、ストーリーと時代設定と絵が自分の中で消化不良で、今ひとつ入って来なかった。
舞台を過去に設定しているのは、未来には起こりえないからだろう。

自分の大切な人を蘇らせることができたら、実行するだろうか。
もし自分が死んでも、蘇ることができるなら望むだろうか。

こんな物語を若くして亡くなった作者はどういう想いで書いたのだろうか。

屍者を爆弾に使うリアリズムと愛情を注ぐべき対象として見る二面性、
同じ人間であっても、単なる物体であり、かけがえのない存在であり、
主観、更にいうとエゴこそが生きることだと主張しているように思える。

死に直面した人間が抱えた狂気の生々しさがスクリーンに表れていた。

点数は、5点(10点満点)。

タイトル:屍者の帝国
製作年:2015年
製作国:日本
配給:東宝映像事業部
監督:牧原亮太郎
主演:細谷佳正
他出演者:村瀬歩、楠大典、三木眞一郎、山下大輝、花澤香菜、大塚明夫、菅生隆之
上映時間:120分