とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「散歩する侵略者」 (ねたばれ注意)

2017-09-20 23:59:00 | 映画
宇宙人が地球人に乗り移って地球征服を企んでいるという設定はありがちだが、
「自由」、「家族」、「所有」、「自分」、「仕事」、「愛」といった
地球人の概念を奪うことで学習するという設定は秀逸。

また、宇宙人が地球人を理解するために「ガイド」としての地球人とバディを組むところも面白かった。

しかし、実際に侵略が始まるまでは、本当に宇宙人なのかは半信半疑で、精神異常と区別がつかない。

そうした混沌とした状況のなか、宇宙人の侵略への営みは着々と進む。

最終的に、宇宙人の侵略は開始されたが、なぜか途中で攻撃がやみ、地球人は生き残る。

ストーリーのはらはら感や侵略シーンの映像的な派手さもさることながら、
地球人が概念を奪われることで、人間性を失い廃人化する場合と、逆に元気になる場合もあることが面白かった。
だからといって、その概念がない方がいいという訳ではない。

「愛」でさえ、失った直後には、その大きさに気付かないが、
時間が経つにつれて、その大切さがわかるのだ。

また、宇宙人が地球人の概念を学習することで、精神的に地球人化していくところも面白かった。
人間を人間たらしめているのは、抽象的な概念なのか。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:散歩する侵略者
製作年:2017年
製作国:日本
配給:松竹、日活
監督:黒沢清
主演:長澤まさみ、松田龍平
他出演者:高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介、児嶋一哉、光石研、東出昌大、小泉今日子、笹野高史、長谷川博己
上映時間:129分