とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「罪と悪」(ネタバレ注意)

2024-02-11 23:59:00 | 映画
齊藤勇起監督の初監督作品。高良健吾主演。

とある地方都市に暮らす3人の男(春、晃、朔)の人間模様。
中学時代に友人の1人が殺され川で遺体が発見される事件が起きる。
3人は近所に暮らす老人が怪しいと思い、その家に行くが、老人と揉み合いになり、殺してしまう。
3人は老人の家に火を放つが、春が罪を1人で被って、少年院に入り、離れ離れになる。

約20年の時が流れて、春は地元で建設会社を営む傍ら、ヤクザや警察とも関係している。
晃は親の後を継いで刑事になり、東京から地元に戻ってくる。
朔は、地元で農家として生計を立てている。

晃と朔は、春とは事件以来、会っておらず、春一人に罪をかぶせた罪悪感に苛まれ、悶々としながら、人生を歩んできている。
春は、地元の若者たちの面倒をみながら、家族関係もよく、充実した人生を歩んでいる。

春を演じる高良健吾の立ち居振る舞いに凄みを感じる。
罪をかぶった春が、罪を乗り越えて、堂々と生きているのに対して、晃と朔は、迷いの中にいる。
この対比が人生というものを表しているように感じた。
悪は、罰されることで浄化され、人に覚悟を与える面があるのだと思う。

中学生時代と同様に、川で遺体が発見される事件が起きて、3人が再会する
苦しみ抜いた中学生時代の事件の真相と3人の結末が悲しい。

手を汚すことに迷いのない大人になることは、いろんなものを背負ってどこかにたどり着く旅なのだろうか。
他人のために避けなれない悪と自分を守るための悪。
両方ともないほうがよいが、「必要悪」という言葉もある。
「毒を以て毒を制する」という言葉もある。

結局、価値観は、自分で決めないといけないし、決めた価値観の因果は自分が受けねばならないということだろうか。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:罪と悪
製作年:2023年
製作国:日本
配給:ナカチカピクチャーズ
監督:齊藤勇起
主演:高良健吾
他出演者:大東駿介、石田卓也、村上淳、市川知宏、勝矢、奥野壮、坂元愛登、田代輝、柴崎楓雅、石澤柊斗、深澤幸也、佐藤浩市、椎名桔平
上映時間:115分



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