「ラーゲリより愛を込めて」（ネタバレ注意）

戦後の混乱の中、シベリアへ抑留された日本軍人に生きる希望を与えた山本幡男の実話。
過酷な抑留生活で、道義を貫き、仲間たちを勇気付け続けた。
しかし、病魔に勝てず、シベリアの土となったが、帰国の意志を仲間たちが引き継いだ。
主人公の山本幡男を二宮和也が演じる。
柔らかな笑顔が素晴らしい。
これだけで、この作品を成り立たせている。

安田顕、松坂桃李、中島健人、桐谷健太も熱演。
それぞれに難役を演じていた。

作品としては申し分なかったが、ロシア人と日本人の立場が逆になっていても感動しただろうか。

自力で避けられない不幸に陥った時に希望を持つことの重要さは理屈ではわかるし、時間が解決する問題も世の中には多い。
とはいえ、心が折れるほうが普通ではないだろうか。
なぜ、山本幡男は希望を持てたのか。
シンプルに言うと、視野が広く、先見性があったということだと感じた。
一方で、道義に殉ずる覚悟も持っていたのだと思う。
日々、自分の信ずるところを生きていれば、希望は自ずからあるということだろうか。

点数は、10点（10点満点）。

タイトル：ラーゲリより愛を込めて
製作年：2021年
製作国：日本
配給：東宝
監督：瀬々敬久
主演：二宮和也
他出演者：北川景子、松坂桃李、中島健人、寺尾聰、桐谷健太、安田顕、奥野瑛太、金井勇太、中島歩、田辺桃子、佐久本宝、山時聡真、奥智哉、渡辺真紀子、三浦誠己、山中崇、朝加真由美、酒向芳、市毛良枝
上映時間：134分