色んな人のブログを見て、啓発されることが多い。ここ数年、新刊本を読むことが少なかった私だったが皆様に触発され、ダヴィンチコード、ブレイブストーリーと続けざまに話題の本を読むことが出来た。で、今度は倉知淳氏の「星振り山荘の殺人」を紹介したブログを見て、いたく興趣をそそられ、早速購入した。そのブログでは「最近珍しく純粋な推理小説」であり「思いもかけない犯人」で、自分好みの本だ、と書かれていた。(もし、この記事をご覧になって、間違っていたらごめんなさい)
推理小説マニアだった私は、これを読んで「俺だったら間違いなく犯人を当てる」と例によって挑戦しようと意気込んだのだ。(もちろんスケベ根性がかなり入っていたと思うが)
そして結論。見事にだまされた。だって、ひどいじゃないか。ストーリー的にも心理的嫌悪感からも、犯人だと確信していた人が、前提条件のところで否定されてるように書かれている。仕方ないので途中から軌道修正して、犯人像をかわいいマドンナに設定しなおして読み進み、そしてラストシーン。やはりね、と思ったところで舞台暗転。
結局、さわやかな涼味の読後感でした。私の本能も捨てたものじゃないし、この作家も結構やるじゃないか、と思ったことでした。(もしかして読む人がいるかもと思ってこの位でstop)
この本の文章は、私たち世代に全然違和感なく、私が書いてもこのような表現になるな、と感じたほどで、読んでいて心が落ち着くものでした。読書の習慣は昔から継続していたのだが、若手作家の新刊本を読むことがほとんど無く、時代小説や戦艦大和などの戦記物の肩が凝らない本ばかりに逃げていた。
今度の経験で、最近の若手の本を読んで、考え方や知識の革新を図らねば、時代に取り残される、また決して若手作家もバカにしたもんじゃないぞ、ということでした。
これからは、最近の新刊書も積極的に取り入れなくてはと決心した。とりあえず、京極作品を一つ。かなり好悪が激しい作家らしいので、推薦もあってデビュー作をまず読みたいと思っている。