新日鐵 飛幡門。
最近、ウオーキングに嵌まっている私、先週の日曜は鉄の町八幡のお祭り、起業祭ウオーキングに参加した。その日は朝から雨が降っていて、ウオーキングどころじゃないと思っていたのだが、10時前に空が明るくなって雨も止んでいたのだ。
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明治初期の文明開化はすさまじい勢いだったようで、明治20年には官営製鉄所として八幡製鉄が高炉の本格稼動を開始しており、昭和の時代まで街全体が活況を呈していた。八幡は新日鐵の城下町であり、新日鐵様様だったのだ。製鉄所からモウモウと排出される黒い煙も北九州のシンボルとして容認されており、洗濯物は屋内に干すのが当たり前と八幡市民は思っていたようだ。その新日鉄の開業を祝う祭りが起業祭であり、八幡っ子にとっては小倉の祇園太鼓のように最大の祭りで、縁日や出し物で賑わうのだ。妻も八幡っ子、11月の起業祭を楽しみにしている。
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起業祭の呼び物の一つが工場開放。高炉や圧延工場の見学が出来る。高熱で真っ赤に融けた銑鉄を見ることが出来て、小中学校の社会勉強にも役立っている。私は仕事の関係上、何度も高炉や鋼板工場を見学しており、新奇性はなかったのだが、せっかくだからこの際もう一度と見学したのだった。
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意気込んで新日鐵の構内バスに乗り込んだのだが、高炉の出銑口付近は見学者で溢れ返っていて、モニター画面を見るのが精一杯、生憎雨が振り出したこともあって、早々と見学を終えて戸畑の街から八幡の街へウオーキング開始。コースは新日鐵飛旗門から若戸大橋橋げた、スペースワールドを経由して八幡の中央町の起業祭会場、八幡駅と云う12キロ、3.5時間の設定だ。ただ、戸畑・八幡は日頃から慣れ親しんだところなので、疲れたり雨がひどくなったらコースどおり歩かなくて近道しても良いや、と不埒な考えも浮かんでもいた。
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<o:p>左;八幡中央町のメイン会場。 中;湯気で写りが悪いけれど八幡のちゃんぽん。</o:p>
<o:p>右;お土産は八幡の銘菓?「くろがね羊羹」</o:p>
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ところが、飛旗門を出た早々にコースの地図を見ていたら熟女から声を掛けられた。「一人ならば御一緒しませんか、道がよく分からないので教えてください」と。英彦山の時もそうだったが、女性の一人参加は結構多い。この女性も山ガールだそうで、この時期は毎週ウオーキング参加しているのだそうだ。私と同年代なのかなと思ったら、何と70歳。ウオーキング姿が決まっていてとてもその歳には見えない。歩く早さも私と同等かそれ以上に速いのだった。神功皇后が応神天皇を産んだところといわれている宇美町から来たと言っていたが、宇美神社はその縁か安産の神様とされ、私も娘や孫の出産の時にはお参りして腹帯などを買ったところだ。
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早足の彼女に負けるわけは行かないと、時折り小雨がぱらつく中をショートカットは諦めて、コースどおりに踏破したのだった。無事に八幡駅のゴールに到着したのが1時半。お腹が空いていたので駅前で「八幡のちゃんぽん」を食べた。しきりに彼女が八幡のちゃんぽんを食べたいというので同伴した次第。
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帰ってこのいきさつを妻に話したら、「八幡のちゃんぽん、私も知ってる。唐揚げが入っているでしょう?」 「それにしても、手が早いのね」
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自慢じゃないが小心で女性恐怖症の私、「手が早い」と言われるのは心外だ。酒を飲んだ勢いがないと、女性に声を掛けられなくて、狼に変身する事も出来ない人なのだから。もう少し蛮勇が欲しいと常々思っているのに。まぁ、女性から見ると人畜無害、手玉に取れる男だと思われているのかも。
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