70年の時間を積むと、いろんな思い出があるものです。
今夜遅く湘南に住む昔の友達から電話がありました。
共通の知り合い、にアメリカ人のカール ベーデさんの死を伝えるものでした。
昨年の10月21日に亡くなられたそうで、孫誕生の翌日で、印象的になりました。
50年前、アメリカに馴染めなかった私達を色々世話してくださった方です。
時を経て、我二男も卒業旅行でアメリカに行った時もいろいろお世話をして下さいました。
若かった私にとって、若いアメリカ家庭の姿を見せて下さり、三人の息子さん達の良き父親としての姿も見ていました。
本当のことを言えば、メガネ越しにじっくり見られているようで、なんとなくいやだったのですが、年と共に、好感の持てるようになって、まるでアメリカのお父さんのようでもありました。ミッション関係で教育者として活躍されていたのです。
食事の後、皆で歌う楽しみを教えてくださったのもカール達でした。92才でなくなってしまいました。
今思うと、父と同じ世代だったのです。
若い頃は、あまり話したこともなかったのですが、今だったらもっといっぱい話ができたのに残念です。
映画の卒業、招かれざる客など、映画を見に連れて行ってくださったのもカール達でした。
パラダイムシフト的な映画で無意識に影響を受けている私です。
筑波大學の綾部恒夫先生のお宅にホームシックの私を届けてくださったのもカールでした。
綾部先生はその頃アメリカ秘密結社の研究をされていたのです。
1968年の春はカール達の見守られてアメリカ生活のスタートを切っていたのです。
草の根の政治活動にも熱心で、エネルギッシュな時期を過ごしていました。
今夜は奥さんのマリーに手紙を書きます。
親しい人が一人ずつなくなっていき、寂しい今夜です。
冬空に輝く星の一つがカールなんでしょう。思い出が、50年前がどっと蘇ってきます。