☆お世話になっている病院へ
せっかくの休日ながら、昨日は、あまりの暑さに昼間、外へ出る気になれなかった。この暑さはやっぱり異常というしかない。人間も動物も、とりわけ老いたる者には辛い異常気象である。
せっかくの週末ながら、あまりの暑さに昨日、昼間はエアコンのきいた家の中でゴロゴロして過ごした。シェラにしても、休日だとわかっていてもさすがに昼間は外へいこうとの催促はなかった。
3時を前にして、「きょうはワクチンの時期だからあとで病院へいかないと」という家人の言葉でこちらもその気になったのを見逃さず、シェラが、「さあ、いきましょう」とばかり浮足立った。
「もう少し待てよ。まだ暑すぎる」
ぼくの部屋をのぞきにきて催促するシェラに言い聞かせた。寒いときなら躊躇なく出かけていくが、さすがに暑さには足がすくむ。
ずっとお世話になっている「こどもの国動物病院」に着いたのは4時ごろだった。いつもたくさんのわんこやにゃんこたちがいる待合室にはだれもいない。少しは涼しくなるこれからなのだろう。
病院は、むぎが死んでから二度目だった。最初は、むぎが死んだその日の夕方に。二度目は、二週間ばかり前、シェラのフィラリアの薬をもらいにきた。一度目は、何組かのわんこやにゃんこたちが待っていたが、幸いにして院長先生に直接ご報告とこれまでのお礼をいうことができた。先生も驚いておられたが、ほかのお客さんが待っていたのですぐに失礼した。
翌日、病院からお花が届き、心あふれるお悔みのカードが添えられていた。
ぼくたちがこの地に越してきてから14年になり、その間、いくつかの動物病院を変えてきた。「こどもの国動物病院」は、お世話になって5年ほど、当地で4か所目だが、ようやく安心してお願いできる病院にめぐり会えた。ぼくたちはこの病院に全幅の信頼を寄せている。
☆「はてな?」のわんこは……
空いていたおかげで、院長先生から、むぎの死因の仮説を懇切丁寧にうかがうことができた。ひと言でいえば、心臓発作だったかもしれないし、もうひとつの可能性として腫瘍ができていて、それが急激に悪化ししまったとも考えられる。
どちらにせよ、いまとなっては、たいした苦しみもなく安らかに逝ってくれたことだけを救いとしたい。
「先日、この子が患った斜頚は長生きする子に見られる特徴なのですよ。長生きしているから斜頚になるという言い方もできますが、ほとんどの子が長生きしてます」
シェラのワクチン注射が終わると、先生が笑顔でこんなことを教えてくれた。
「斜頚」とは、昨年の夏に発症し、12月にまた復活してしまった首の傾斜のことである。
このブログでも12月25日と28日のエントリーで、いつも「はてな?」という様子でこちらを見ているため、わが家では、シェラの「はてな?」と呼んでいる顛末をレポートした。
暑い夏の夕刻、院長先生の言葉から、ぼくたちは久しぶりに晴れやかな気持ちをもらった。むぎを突然失い、もうすぐそこまで迫っているであろうシェラの旅発ちにおびえるぼくたちへの慰めの言葉であったとしてもかまわない。
こういうお医者さんにめぐりあえて、シェラもむぎも、そして、むろん、飼主のぼくたちも実に幸せである。
シェラ、むぎの分まで長生きしような!