明後日からの短い休暇に、久しく放っておいた一眼レフを持っていこうと思い立ち、カメラからCFカードを抜いて残りの容量を確認した。去年から今年の正月ごろの写真がたくさん現れた。
忘れていたさまざまな風景にはさまれて、シェラとむぎの写真も並んでいる。
そうだ、あのときは……。
一連の風景に懐かしさを感じながら、こんなときもあったよな、と幸せだった日々が胸に迫る。あのころ、これが永遠ではなく、いつかは失う日々なのだと覚悟しつつ、それはまだしばらく先だと疑いもしなかった。
わずか一年足らず前の写真にもかかわらず、まだ若々しく見えるシェラがいる。
そして、もういないむぎがいる。
写真は酷薄であり、優しくもある。
失われたときを見せつけ、幸せだったときを思い出させてくれる。二度と戻らぬ失われた日々を……。
明後日、むぎの二か月目の命日を迎える。