愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

日々変わりゆくシェラ

2011-10-11 23:21:21 | シェラの日々


☆ほぐれはじめた心

 やはり日に日にシェラがルイを認めはじめた。ジュリーさんからのコメントのとおりになりはじめている。どうやら、終着点もジュリー家とほぼ同様になるような気がする。つまり、ルイの同居は認めるけど、一緒に遊んでやったりはしない。いや、年齢的にできないという点である。
 
 それはシェラの高齢だけが原因ではない。とにかく、ルイが元気すぎる。若いときのシェラだっとしても、とてもじゃないけど調子を合わせてやれるレベルじゃない。ちょっと油断するとシェラに駆け寄り、跳びついて逃げる。逃げてはすぐに取って返し、また跳びつく。そして、逃げる。
 シェラはすっかり翻弄され、呑まれて、それでもかろうじて吠えて抗議する。むろん、ルイは動じるものではない。



☆突貫小僧のルイ 

 今朝の散歩で、いつものようにトートバッグに入れて肩から提げていたところ、ルイが出たがった。リードをつけていたので、ほんの短い距離ではあったが、シェラの横を歩いた。
 シェラに跳びつき、リードのハンドルから提げた袋にじゃれつきながら進んだ。ちなみに袋の中はウンコ回収用のビニール袋が折りたたんでまとめて入れてある。
 
 むぎの最初の散歩とはまったく様相が違う。むぎは脇目もふらず、シェラさえも眼中にないまま、ひたすらまっすぐ歩いた。ようやく外を歩けたうれしさに身体が弾んでいるのがわかる。
 ルイとむぎを比較してはいけないと承知しつつ、かくのごとく、やっぱりつい比較してしまう。
 
 散歩の途中で跳びつかれても、今朝のシェラは怒らなかった。怒らせてしまう前にぼくのほうでコントロールしていた。これもジュリーさんのアドバイスがあったればこその賢い対応である。
 家人の話によると、シェラが夕方、ルイのいるケージから1メートルほどのところで床に寝そべり、ルイをじっと見ていたそうだ。やっぱり1週間を越してからシェラが変わった。
 
 むろん、むぎとの関係性の再現は望むべくもないが、いったい、どれほどシェラの母性が復活してくれるか期待してしまう。それには、ルイの突貫小僧ぶりが落ち着かないと無理だろう。
 それでも日々変わりゆくシェラが愛しくてならない。
 
 そんなシェラへの配慮、ルイのトイレの掃除などの作業、ルイの遊び相手、シェラの夜中の散歩等をはじめとして、目まぐるしい一週間だった。
 
 正直なところ疲れた。


奇蹟の兆しが見えてきた

2011-10-10 23:29:10 | シェラの日々


☆短かったむぎとのスキンシップの時間 

 シェラが急速にルイとの距離を縮めつつある。
 むぎのときと同様に一週間めにして変わった。年が年だけにむぎのときのようにはいかないかもしれないとなかば覚悟していたが、少し楽観できそうである。もっとも、耳がかなり聞こえず、つい最近、目のほうも視力が減退しつつあるようで、こうした身体の衰えがあるだけに、むぎを迎えたときと同じにならないのはいたしかたあるまいと思っている。
 
 あのころのシェラは、ようやく大人になったばかりの3歳のわんこだった。甘えることに慣れてしまい、母性の萌芽さえ感じられなかった。そこへむぎがやってきて、シェラの母性を揺さぶり、灯をともした。
 今年の初夏あたり、突然のように身体の衰えが顕著になるまでの13年間、シェラはむぎのよき母イヌとして生きてきた。母イヌの役割からのシェラの離脱にむぎは置いてきぼりを食らったように困惑しているのを、ぼくたちは薄々感じていた。

 その戸惑いはむぎを家人に向けさせた。13歳にして、シェラだけでなく、飼主にも心を寄せようとしたのである。だが、結局、むぎが家人に寄り添ったのは、たかだか2、3か月でしかなかった。
 「ようやくむぎがわたしにきてくれたと思ったら死んじゃった」
 家人の嘆きはぼくと趣を異にする。

 彼女はシェラがもう母親の役割を果たせないのを承知してルイを連れてきた。シェラができなければ、自分がやればいいと無意識のうちに決めていたのかもしれない。むぎがやってくるまではシェラの母親役をやっていたのだから。



☆もしかしたら期待していいのかもしれない 

 三連休の最初の土曜日がルイがきた1週間めにあたる。ルイを忌み嫌うかのように避けていたシェラだったが、ルイが入っていないときにケージのにおいを嗅ぎにいった。
 ようやくルイをまっすぐ見るようになった。今夜は、2メートルほど距離を置いてはいたが、座り込んでケージの中のルイをしばらく見つめていた。

 昼間出かけたとき、行きつけのわんこOKのカフェテラスでは、ぼくがルイを抱いて世話しているのをシェラはあきらかに嫉妬し、家人に目で訴えかけていた。
 「お父さんはルイちゃんのお父さんになっちゃったのよ。これからはお母さんがシェラちゃんを守ってあげるからね」

 そんなシェラを見た家人が戯れに余計なことをいったからでもないだろうが、夜、しきりに家人のところにいってまた何かを訴えかけた。
 「大丈夫よ。お母さんはあなたを愛しているんだから。心配しないでいいの。大好きよ」
 顔を近づけてそういう家人の顔を、珍しくシェラが舐めた。いままでぼくの顔しか舐めてこなかったというのに……。

 ぼくもまた同じようなことをいってシェラを落ち着かせた。
 いつのまにかシェラは居間を去り、奥の部屋に退いていった。きっと安心して眠るためだろう。むぎのときは、似たような情況から一変してシェラがむぎを受け容れていった。
 なかば奇蹟を期待しつつ、いや、むぎのときのようにうまくいくはずなんかないとなかば諦めながら、今夜はとても満ち足りた気分で、またたくまに終わった連休最後の夜を迎えている。


まだ「むぎ」と呼んでいる

2011-10-09 23:51:35 | シェラの日々


☆13年も可愛がってきたのだから

 むぎの話をするとき、シェラが聞き耳を立てているからと、ぼくたちはあえて「むぎ」の名を避け、「お嬢」と呼び、すぐに「嬢々(じょじょ)」になってしまったが、いまも不用意にむぎの名前を出してしまうことがある。
 むぎが旅発った当初のように、シェラが鋭く反応する様子はないが、それでもまだ3か月しか経っていないので気をつけるようにしている。
 
 だが、ルイがきて以来、ぼくも家人もむぎの名を連発してしまうことが増えた。むぎの思い出話のときではなく、ルイに対して、つい、「むぎ」と呼んでしまうのである。褒めるときも、怒るときも、何気なく声をかけるときも、口をついて出てくる名前はルイではなく圧倒的にむぎになってしまう。
 その度に家人がやればぼくが、ぼくがやれば家人が指摘する。
 
 「しょうがないわよ、13年も可愛がってきたんだから……」
 今日、家人がしみじみといった。
 ルイがコーギーでなかったとしても、やっぱりぼくたちは「むぎ」と呼んでしまうだろう。わが家にいるべきわんこは、まだ、シェラであり、むぎなのだ。

☆わんこの社会性の意外性

 ぼくたちの意識の奥底ですらそうなのだから、シェラがルイを容易に仲間として容認しないのは、シェラの性格から仕方のないことなのだろう。
 以前、コーギー掲示板で知り合ったサンフランシスコ在住の方のところでは、オスのシェルティーが、その日からコーギーのパピィを仲間として受け入れていた。たしかに、元来、社会性のあるお利口なシェルティーだった。

 印象的だったのは、以後、このシェルティーまでほかのわんこたちと遊べなくなり、目の前で遊ぶほかのわんこたちをふたりで並んでじっと見ていたそうである。
 そのあたりで、ご主人がリストラに遭い、わんこのことより飼主の深刻な話題で終始して、以後のわんこたちの様子はわからずじまいだった。きっと、ほどなくよそのわんこたちとも再び仲良く遊べるようになっただろう。

☆急速に馴染みはじめてる
 
 今日のシェラは、昨日よりもさらにルイに対して寛大に振る舞うようになった。ルイを避けようとする態度が稀薄なっている。そんなシェラの変化をいいことに、ルイがシェラの気を引こうとそばに寄るとやっぱり吠えて追い払おうとする。
 その吠え方が、怒っていうというより、「やめてよ!」とでもいいたげな声音なのがおかしくてならない。
 
 今夜もつい先ほど雨夜の散歩に引っ張り出された(冒頭の写真)。オシッコこそすぐにすませたが、あとはひたすらにおいを嗅ぐばかりである。遠くへいこうとはしない。半径100メートル足らずの範囲でのシェラの情報収集行動である。
 昼間、遊びに出かけた八王子の長池公園でも、自分の身体の衰えを忘れたかのように夢中でもっと先までいこうとする。 
 
 もう、「むぎを探しているのだろうか?」なんて手前勝手な発想はしないけど、やっぱり、何が知りたくてそんな執拗になるのかシェラに訊いてみたくてならない。
 

ルイの一大事とシェラの豹変ぶり

2011-10-08 23:55:07 | シェラとルイの日々


☆ルイ用のリードを求めて 

 三連休の初日、ランチを兼ねて世田谷・二子玉川にあるドッググッズのお店へ向かった。目的は屋内用のルイのリードを買うためである。
 ルイをケージから出すと、すぐにシェラのところへいってしまう。シェラは嫌がり、吠えついて追い払おうとする。ルイにしてみるとそれが遊びになるらしく、喜んで全力疾走で走り回るのでヒヤヒヤする。
 
 昨日、ジュリーさんからのコメントで、貴重なアドバイスをいただいた。わが家にしてみると目からウロコのアドバイスである。
 ケージから出すときはリードをつけ、老犬にしつこくなりそうなときは飼主がリードで制御しなくてはならないというなんとも適切なご助言である。まだ、本格的な散歩は、三回目のワクチンの投与が完了する11月からと思っていたので、ルイ用のリードを用意していなかった。
 
 ほかにもクルマで移動するときにルイを入れておくクレートも必要だった。むぎのように、シェラのお尻を枕にして寝ることができほど、シェラがルイを受け容れてくれるとはかぎらないし、一緒にリアシートに乗っていることを認めてもらうには相応の時間がかかるだろうからドライブ用の何らかのアイテムが必要だった。

☆ルイを落として拾い上げたら 

 玉川高島屋S・Cガーデンアイランドには、二軒のドッググッズのショップがある。ルイのためのグッズの買物を「JOKER」ですませたあと、もう一軒の「DOG DEPT」へ移動した。ここにはドッグカフェが併設されている。

 シェラは、クルマに積んだままになっているわんこカートへ乗せ、ルイは抱いていったのだが、DOG DEPTで異変が起きた。
 ルイを膝に乗せて水を飲ませているとき、誤ってルイを床に落としてしまった。背中から落ちたルイを慌てて抱き上げたとき、木製テーブルの裏側でルイの頭をぶつけてしまった。 
 ようやくぼくの膝に乗せたルイの目が虚ろである。半眼で、意識がホワ~ンとしているのがわかる。
 家人が慌てた。
 「ルイが変よ!」
 ぼくもルイの異変には気がついていた。どうなっているかもわかる。脳震盪を起こしているのだ。ぼくも中学生のとき、柔道部で経験していた。
 朦朧とした意識の中で、それでもルイは少し水を飲んだ。見上げた根性である。
 
 帰りのクルマの中で、ルイは簡易型のクレートに入ってリアシートのシェラの横に置いてあった。ホームセンターやスーパーマーケットで買物をしている間の時間を含めると、けっこうな時間をシェラとルイは隣同士でいたことになる。
 その成果が帰宅して顕著になった。リビングルームに寄りつかなかったシェラが、迷いながらもリビングへ入ってくるようなった。
 ジュリーさんの助言に従って買ったリードをして遊ばせていたからだろうか、空のケージに二度ばかり近づき、においを嗅いでいた。

☆シェラにもぼくらにも必要な刺激 

 むぎがわが家にやってきたときもそうだったが、最初の一週間がシェラの惑いの日々であるらしい。むぎのときはここから心を開き、二匹は急速に距離を縮め、すぐに母と子の関係になってしまった。
 17歳にならんとするシェラにむぎのときの再現を望むのは酷だろう。おとなしかったむぎと違ってルイはすぐにシェラに跳びついていく。だから、ジュリーさんのアドバイスにもあったとおり飼主が制御してやらなくてはならないわけだ。
 
 これから二匹がどんな関係を築いていくのか、シェラを極力怒らせないよう、また、ストレスを与えないよう細心の注意を払いながらじっくり見つめていきたい。
 ジュリーさんのコメントによれば、若いわんこがそばにいるだけで、老犬も寝てばかりいるよりはいい刺激になるという。
 ぼくたち老夫婦も、常に緊張感を強いられるわけだからやっぱりシェラ同様に少しは老いの速度が鈍ってくれる効果を期待できるかもしれない。



 シェラとむぎを送ったら、もう二度とわんこは飼うまいと心に決めていたというのに、むぎのシェラよりも早い死によって、ぼくたちは狼狽し、哀しみから脱け出せず、ルイを迎えている。ルイは、いわばむぎからの贈物ですらある。そのルイがいてくれるおかげでぼくたちの老化防止に役立っていると心から思えるそんな日がやがてやってくるのを信じていきたい。
 
 それにしても、脳震盪を起こして虚ろになったルイの顔をぼくはずっと忘れずにいることだろう。かわいそうなことをしてしまったけど、いじらしいほど可愛かった。


今年は寂しい秋の三連休

2011-10-07 23:54:22 | 残されて

☆明日からの三連休は

 今日はむぎの月命日。あっという間の3か月だった。

 朝の散歩のときに浴びる陽がすっかり秋の色に染まった。写真のように、黄色がずいぶん濃くなって気持ちはアウトドアへと向かうはずなのだが、むぎのいない今年は鎮まり返ったままである。
 だからというわけではないが、明日の土曜日からの三連休を今年は家で過ごすことになった。この30年来、おそらく欠かすことなくこの時期はキャンプに出かけていたはずである。シェラとの16年間、秋の紅葉キャンプを楽しんできた。

 まだ幼いルイがきたばかりなので、今年、どうしようかと迷いつつ、近場の静岡あたりならいいのではないかとなかば出かける気でいた。だが、一昨昨日のシェラの異変に、ぼくたちはすっかり震え上がってしまった。 
 お医者さんの診断を聞いてはいたが、もし、出先で同じようなことが起こったらと思うと遠出は怖くてできない。

 ルイの三回目のワクチンも終わっていないのにアウトドアに連れ出すのはやっぱり無謀であろうという理由もある。それに、近場とはいえ、二時間、三時間のいきなりのドライブはさらに無謀である。 
 同じくらいの仔犬のころ、シェラを連れて湘南の海岸へ連れ出して、激しい車酔いで苦しめてしまった。以後、シェラは停車しているクルマなのに、乗せただけでダラダラとよだれを垂らしていたものだが、なんとか早い時期に車酔いから解放された。 
 その点、むぎはまったく動じない子だった。車酔いひとつとっても手のかからない子だった。

 さて、ルイがクルマに強いか弱いかとなると、まだなんともわからない。ショップでの情報によると、ブリーダーさんの茨城の家から東京までが最初のドライブであり、少し酔ったということだったが、ショップからわが家までのドライブでは異常なかった。
 しかし、行楽シーズン真っ盛りの連休のドライブとなると渋滞も覚悟しなくてはならない。やっぱり長丁場のドライブは避けておくべきだろう。そういうわけでキャンプは中止となった。
 


☆ルイのデビューはあるのだろうか?

 ここ数年の例だと、さらも11月に休暇をとってでも二泊くらいの予定で清里へキャンプに出かけてきた。今年はぼくの仕事上の都合でとても休暇を取っている状況にない。
 11月の清里は晩秋の陽気というより、すでに冬の様相が濃厚である。まして夜は正真正銘の冬となる。そんな陽気のキャンプがぼくはいちばん好きだ。若いころのシェラと、ぼくは何度かふたりだけで紅葉キャンプに出かけている。まだ家人がアウトドアに参加していないころであり、奥日光あたりで楽しんできた。

 この季節、寒ければ寒いほど元気になるシェラは大喜びでも部屋の中で育っているルイには、テントの中での夜は厳しい試練になってしまいかねない。同じコーギーのむぎは寒さに対してシェラよりは苦手としていて、冬のキャンプというとぼくの寝袋に潜り込んできてくれてふたりで互いに暖め合って寝たものである。それを思い出すと悲しい。
 今年の11月は、シェラの体調を考えると、いきなり真冬の環境への移動が、慣れているとはいえ、果たして悪い影響を与えないかとやはり不安である。
 
 そして、この10年ほど、恒例となった年末年始の年越しキャンプだが、どうやら今年は出かけるのを見送る公算が大きい。シェラの疲れを考慮したらやっぱり避けることになりそうだ。
 年末年始の次のキャンプとなると、来年5月、ゴールデンウィークになるが、実現できるかどうかはシェラの老化がどれほど進行してしまうかにかかっている。もしかすると、この9月にいった清里のキャンプがシェラにとっての最後のキャンプだったかもしれない。
 そうなると、ルイのキャンプ・デビューはまだ少し先になる。
 
 ルイが晴れて「キャンプ犬」としてデビューするとき、もうシェラはいないのだろうか。それを考えると、ぼくの唯一の楽しみだったキャンプそのものが色褪せてくる。もしかしたら、もうキャンプになんかいきたくなくなるかもしれない。むぎがいない、シェラもいない、そんなキャンプは考えられないからだ。
 ぼくたちがそうならないためにルイを迎えているのではあるけど……。

 そして、むぎ、きみのお父さんとお母さんは、先週からきみに似た子を迎えている。たぶん、もう大丈夫だから、きみも安心して虹の橋のたもとで待っていておくれ。いずれ、シェラがいくだろう。そして、ぼくたちがそこへいくまで待っているんだよ。