「うみあかり」の食事は、何か所か会場がありますが、今回は6階の宴会場でした。
畳敷きの部屋に椅子とテーブルがセットされています。隣の席との仕切りはありませんが、広い宴会場に7~8組で、間隔が十分にとられているので気にはなりません。全部個人客だったので、客層により会場をわけているものと思われ、なかなか気がきいていると思います。
さて、肝心の夕食ですが、実はあまり期待はしていなかったのですが、良い意味で期待を裏切られました。非常にレベルが高く、おいしかったです。
セットはこんな感じです。
前菜は旬の三点盛り。見た目は普通ですが、味付けはかなり良いです。
先付の梅豆腐。上には白えびがのっています。これは正直言って、料理全体の中での位置づけが良くわかりません。
お造り。鰤、鮪、鯛、鱈子付け。魚の鮮度、切り方ともに文句なしです。
富山の地酒が飲めるのもうれしいところです。
まずは幻の瀧。湧き水で有名な生地のお酒で、かなり昔に一回行ったことがあります。
全体的に軽い感じの日本酒ですが、基本は水、ということがよくわかリます。
酢の物、津和井蟹 半匹。
身もしっかり詰まっています。
お凌ぎ、氷見うどん。出汁系の味付けで、汁物代わりにちょうどよい味付けです。
さて、ここからいよいよぶり料理に入ります。
これは別注の鰤刺身です。
コースのお造りにも鰤は入っているので、迷いましたが、頼んで正解でした。
脂はのっていますが、脂の質が上質なのでしょう、全くしつこさはありません。そして、鮮度が良いからなのでしょう、全く臭みもなく、身もぷりぷりしていてすごい歯ごたえです。
普段スーパーで買っている、鰤とは全く別物といってもよいかもしれません。
特徴的なのは、薬味に大根おろしがついていることで、より一層さっぱりと食べることができます。これは一つ勉強になりました。
この写真の4種類はすべて部位が異なるということですが、驚いたのは左端の腹の部分、まるで馬肉のタテガミのようです。
二本目の日本酒は、地元氷見の八代仙。酸味とちょっと癖のある、いかにも海辺の酒という感じです。系統としては同じ富山の満寿泉と同じです。
再びコースに戻り、焼物、鰤石焼ステーキ。
石の上にバターを敷き、鰤を焼きます。
鰤にバターなんてさぞかしこってりしているように思えますが、全く脂っこくはなく、鰤特有の臭みも全くありません。
これにはびっくり。
煮物、鰤大根。
実は、ぶり大根、ギトギトの脂感が苦手だったのですが、これも全く脂っこくなく、臭みもありません。今まで食べたことのあるぶり大根とは、別物です。
添えられた大根おろしがよりさっぱりした感じを引き出します。
台物、鰤しゃぶ。
実は、鰤しゃぶも、あの独特の臭みが苦手であまり食べなかったのですが、くどいようですがこれも近所のスーパーで売っているのとは別物、全く臭みはありません。
最近、鰤しゃぶは豆乳がはやっているようですが、ここは正統派。こちらのほうが好みです。何でもかんでも豆乳でヘルシーさを売りにすればよいわけではありません。
そして、とろろ昆布が入っているのが富山らしいところです。しゃぶしゃぶにとろろ昆布、これも勉強になりました。早速自分の家でもやってみたいと思います。
とにかく、本場、氷見の鰤がここまでおいしいとは思いませんでした。鰤なんてどこで食べても同じ、と思っていましたが、ここまで食べに来て良かったと思います。
高知のカツオもそうでしたが、全国的に有名になるにはそれなりの理由があると、改めて感じました。
最後の、桜海老御飯とお吸い物。
味付けは良好、ここまで肉はなく、揚げ物等の脂っこいものもなかったため、さいごまでおいしく食べることができました。
デザートは凡庸。
「うみあかり」の食事、かなりレベルは高いです。凝ったものとか、珍しいものはありませんが、この料金でこの料理を提供するのは、立派だと思います。
<2日目に続く>