能越自動車道を南下し、高岡市内に入ると積雪が多くなり、高速道路上もかなりの積雪となります。
小矢部JCを過ぎて東海北陸自動車道に入ると、沿道の積雪は増えてきましたが道路上の積雪は少なくなり、長いトンネルを抜けると世界遺産、五箇山、菅沼集落に到着。
ここで約一時間の散策となります。
駐車場からはエレベーターで降り、トンネルを抜けていきます。
エレベーター乗り場やトンネル出口には置き傘があり、雪が降っているときには、これは便利です。
トンネルを出ると、そこはモノクロームの世界です。
しばし、モノクロームの世界をご覧ください。
こんな日でも観光客はいて、店や観光施設は営業しています。
大雪が降れば何もかも休みになるという、首都圏の常識はここでは通用しません。
そんな観光施設、五箇山民俗館を見学します。
ここは古い合掌造りの家屋を資料館にしたもので、昔の道具等を展示した、まあ、普通の資料館です。
続いて、民俗館の向かいにある、塩硝の館を見学します。
塩硝とは火薬の原料となる硝酸カリウムのことで、硝石の獲れなかった日本では、窒素を含む植物を室内の地中に埋め、長い年月をかけて発酵させて硝酸ナトリウムを精製し、灰汁と反応させて硝酸カリウムとしたということです。
昔はこのように火薬の原料を天然物に頼るしかなく、軍事力確保のためには硝石を確保することが非常に重要だったわけですが、1906年、ドイツの科学者ハーバーとボッシュにより開発された、空中窒素固定法によるアンモニアの合成法の開発はこの状況を一変させました。
チリからの硝石輸入に頼ることなく火薬を製造することが可能になり、第一次世界大戦開戦のきっかけになったとも言われています。
たまたま居合わせた、大学生の団体と一緒に、説明を聞きます。
鉄砲が伝来して間もなくこの製法が始まったということで、戦国時代には本願寺に味方したとか、加賀藩になってからも秘密裏に製造は続けられ、そのためには人里離れた五箇山が都合が良かったとか、興味深いことを説明してくれて面白かったのですが、次第に同じことの繰り返しとなりエンドレス状態になってきたので途中で切り上げてしまいました。
雪は幾分小降りになってきましたが、そろそろ時間なので駐車場に戻ります。
一度来てみたかった冬の合掌造り集落に来ることができて、非常に満足でした。
<その3に続く>