コリン・ファース、
オスカー受賞は堅そうだなぁ。
「英国王のスピーチ」70点★★★☆
1930年代。
英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の
次男ジョージ6世(コリン・ファース)は
幼いころから吃音に悩んでた。
妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)が
様々な言語療法士を連れてくるものの
一向に改善せず
式典などのスピーチは
いつも失敗。
あるときエリザベスは
専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとに
夫を連れて行く。
しかし
型破りなライオネルの治療法に
ジョージは反発を繰り返し――。
これは完全に
“役者劇”でした。
難しい役を
大げさでなく自然に演じきった
コリン・ファースが
確かに際立っているし
ヘレナ・ボナム=カーターも
気さくで明るく、感じのいい
のちの王妃役を好演。
(こんなに“いい人”な役、久々じゃないか?)
ジェフリー・ラッシュも
“彼でなくてはならなかった”
格別の存在感です。
ユーモアあるセリフも多く
全体に「クスリ」笑いがありました。
ただ
主人公がヒトラーの演説を見て
「うまいな」と呟くように
ストーリーの後には
深刻な時代背景があるんだけど
あくまでも
それはわきに置き
己の弱さに向き合う男と
それを支える家族のドラマに
テーマを絞っている。
ゆえに
役者のガチンコは魅せるんだけど
映画としてはちょっと「ライト級」というか
小さい感じがしてしまった。
まさしく
タイトルどおりの作品
というんでしょうか。
演出も正調で
それも物足りなかったのかも。
ジョージ6世が
スピーチを読み上げるクライマックスでは
読まれている内容の深刻さと
「ちゃんと原稿を読めるのか――?」
というハラハラが
解離していくという
奇妙な感覚を味わいました。
まあ
アカデミー賞で
話題になることは間違いナシ。
高レベルは確保しているので
気になるかたは一見をおすすめします。
★2/26から全国で公開。
「英国王のスピーチ」公式サイト