「既存に挑む」意欲が
新しいものを生んだ、好例です。
「アリス・クリードの失踪」74点★★★★
若い男と中年男が
せっせと何かの準備をしている。
準備が整うと、二人は車を走らせて
白昼堂々と
金持ちの娘アリス・クリードを誘拐した。
密室に閉じ込められ、
恐怖と戦うアリスは、
やがて
意外な真実を知ることになり――?!
登場人物は3人。題材は誘拐。
しかも密室劇、という縛りだらけの素材を
よくここまで調理したものです。
二人の男が黙々と
“何かの”準備を整える導入がうまい。
まあ物騒なことだと想像はつくけど、
沈黙に加えて
異様に息の合った動きが不気味さを煽る。
二人は、アリス・クリードという娘を誘拐し
身代金をせしめようとするんですが、
これが
意外な展開になり、
二転三転、飽きさせない。
監督は
ロン・ハワードの「身代金」で
誘拐された少年を気遣う犯人(いた、いた!)を見て
この映画を着想したそう。
なーるほど
おもしろいなあ。
タイトルの本当の意味がわかるラストが
すごくいいです。
★6/11からヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷で公開。ほか全国順次公開。
「アリス・クリードの失踪」公式サイト
来週発売の「週刊朝日」で
有栖川有栖さんに
この映画についてお話を伺ってます☆
お仕事柄、よくミステリー映画を見るそうですが
「これは新しい!」と大絶賛。
ぜひご一読を