奇しくも、これも
スペインはバルセロナの話でした。
しかも織田裕二は足を踏み入れないであろう
裏の裏(笑)
「ビューティフル」80点★★★★
本年度アカデミー賞ノミネート、
「バベル」の監督×主演ハビエル・バルデムとくれば
期待値上がりまくりです。
観光地バルセロナの裏通り。
差別と貧困が渦巻くこの場所で、
ウスバル(ハビエル・バルデム)は
不法滞在の中国人に仕事を斡旋したり、
アフリカ系移民を助けたり、
非合法な仕事をしつつ
二人の子どもを育てていた。
そんなあるとき、
彼は自らの余命を知ることになる。
自分の死後、子どもたちに何を残せるのか――?
ウスバルは限られた時間で
“死の準備”をしようとするのだが……。
本音のタイトルはずばり「父」でしょうね。
「バベル」の完璧さはないけど
重く、暗い、社会の現実なのに
しかし2時間半、
惹き付け続けられました。
パーツを組み合わせ
構築していく
ストーリーテリングの妙。
その一筆一筆の重さと力強さ、
1シーンの濃厚さ、
さすがとしかいいようがない。
主人公ウスバルの
内に外に巣くう病魔は重すぎて、
彼は薄汚れ、ボロボロになってる。
でも
不法労働者を斡旋する側にいながら
彼らを助けようとする善意も持ち合わせる
かなり複雑な人物。
ほぼ全編、怒ったり、苦しんだり、悲しんだりしている
難しい役を
バルデムが入魂で演じていて
見応え十二分です。
「死を受け入れるか、生に愚かしくしがみつくか」
「死は終わりじゃない。そこからの道のりが長い」
などなど
印象的なセリフ、そして音も見事でした。
★6/25からTOHOシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。
「ビューティフル」公式サイト