台湾のお葬式の不思議を
ユーモラスに描く、ほんわかコメディ。

映画「父の初七日」69点★★★☆




台北で働くアメイ(ワン・リーウェン)は
父の訃報を聞き、故郷の田舎町に帰省する。



50代の若さで亡くなった父に茫然としながらも
アメイは兄タージ(チェン・ジャーシャン)とともに
葬儀の喪主となる。


叔父で道士のアイー(ウ-・ポンフォン)の指示のもと
台湾式のお葬式が始まるが、
そのすべてがアメイには驚きの連続で――?!

冒頭からスッチャカミャージックが軽快に流れ、
湿っぽさなく愉快爽快。



なぜか梶芽衣子の昭和歌謡曲が、
歌詞とマッチするいいタイミングで流れたりして
笑いを誘います。

主人公のアメイはオアシスの大久保似、
葬式を仕切る道士は板尾創路似だったりと、
日本人にはなんか親しみがある感じもいい。


台湾のお葬式は
紙のお金を燃やしたり、泣き女がいたり
独特の形式があることは他の映画で知ってましたが、
紙製のお家や家電を焼いたり



親族は泣けと言われたら
どんな状況でもすぐに泣かないといけない……


いろんな儀式があることに驚きました。

原作は共同監督も務めた若手女性作家エッセイ・リウの
体験談に基づいており、
主人公が昔ながらの葬儀を通して感じる
戸惑いやびっくりが

異国の我々にもしっくりきて
「へえ~~」と一緒に驚き、感心できるのがいい。


どこの国でも葬式は
やってみないとわかんない経験らしいですからね。

終始コミカルな調子のなかで
娘の父との思い出に
ちょっとしんみり、ホロリもしました。

台湾のアカデミー賞にあたる賞7部門にノミネートされ
台湾全土でロングランヒットしたそうです。

★3/3から東京写真美術館ホール、銀座シネパトスほか全国順次公開。
「父の初七日」公式サイト