ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

青い塩

2012-03-16 23:31:15 | あ行

バイオレンスにも人間味を吹き込む
究極のおやじ、ソン・ガンホ。

好きやー。

「青い塩」73点★★★★


韓国・プサン。

主人公のドゥホン(ソン・ガンホ)は
料理教室に通っているごくフツーのおやじ。

彼は教室で、無愛想な女の子セビン(シン・セギョン)に出会う。

二人は少しずつ打ち解けていくが、
実はセビンには別の目的があった。

彼女は元ヤクザの幹部であるドゥホンの命を
狙うよう命じられていたのだ――。


久々に好きな韓国映画でした。

おじさんと少女の邂逅、という
ネタは定番なんだけど、

ゴリゴリのバイオレンスだけではなく
ソン・ガンホがおどけた調子で、映画をなごませてくれるというか

裏社会のバイオレンスな陰と、ソン・ガンホのチャーミングな陽が
みたことのない混じり合いをしていて面白かった。


キャラメルマキアートをズルズルすする
ガンホのほどよいお茶目っぷりと、
クールな少女戦士という
アニメのようなキャラ設定がうまく相乗し

父娘ほども離れた男女の
プラトニックな“愛”をうまく表現してる。

この成功は
ソン・ガンホのキャラに追うところも大きいけど、
影ある“暗殺者”少女を演じるシン・セギョンも
ナイスでした。


監督は「イルマーレ」(00年)のイ・ヒョンス。


その映像や音楽には
どこかヨーロッパ的というか
洗練された美しさがあり、

ファーストシーンの塩田も美しかった。

iPhoneやスタバ(風カフェ)、ワインが
韓国映画の重要な小道具になっているのも、なかなか興味深かったですね。

あと
ソン・ガンホ以外の男性キャラが
みーんないかにも“韓流!”といった感じの
イケメンなのも
いい作為が感じられておもしろかった。

そのなかでも、やっぱガンホが断然いいんだよナ~。

★3/17(土)から丸の内TOEIほか全国で公開。

「青い塩」公式サイト
コメント (3)
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