番長どうやら
「エッチ度が高い」という触れ込みで
しかしそうでもないものに
異常にがっかりするタチのようで……(苦笑)
「SHAME -シェイム-」58点★★★
N.Y.に暮らすブランドン(マイケル・ファスベンダー)は
ルックスもよく、オシャレなマンションに住む独身男性。
しかし彼は
仕事以外の時間をすべてセックスに費やす
いわゆるセックス依存症だった。
そんなある日、彼のもとに
妹シシー(キャリー・マリガン)が転がり込んでくる。
恋愛に依存し、感情的な妹に振り回されるブランドンに
封印したはずのある感情が蘇ってきて――。
各国で厳しい上映規制がかかり、
日本でも「R18+」ですら危うかったという問題作。
……ということでしたが、
うーん?そんな露骨なシーンもないけど?(笑)
ぼかし以外にカットされた部分もあるんですかね。
依存症、とか難しそうな話ですが
全然そういうことでもなく
結局のところ主人公が
叶わぬ恋のつらさを紛らわすため、
不特定多数の女とヤリ続けるという話ですから。
ホントはめちゃくちゃ切ない話なんですよね。
しかし、その切なさが
いま一歩伝わりきらない。
そもそも主人公の想いを
「SHAME=恥」と感じる感覚を、理解できるかどうかが
分かれ目なのかもしれない。
宗教上の不道徳さとかあるんでしょうか。
己を罰してる、ってことなんでしょうか。
スティーヴ・マックィーン監督は
主題をかなりストレートに投げ、
余計な飾りのない、余白多めな雰囲気に、とんがった感じはある。
ただ余白をセンスとして捉える感覚はわかるけど、
この場合はちょっと
エッセンスだけの“逃げ”にも見えなくない。
白が生きるのは
その背後にギッシリした描き込みがあってこそ、とかね。
それにしてもやっぱり
キャリー・マリガンはいいですねえ。
恋愛依存症という役のため
わざとふっくらして、人間的な「弱さ」や「しまりのなさ」のようなものを
体に付け加えている。
ゆるんだ感じの口もとや、お腹回りをバーンとさらす、
その役者魂、カッコイイな。
あと歌が上手なのに驚きました。
★3/10(土)から渋谷シネクイントほか全国で公開。
「SHAME -シェイム-」公式サイト