ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

スーパー・チューズデー ~正義を売った日~

2012-03-28 22:51:31 | さ行

二重三重に裏を読んだんですが、ハズレました。
やられた!(笑)

映画「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」80点★★★★

ジョージ・クルーニーが監督&出演の
米大統領予備選を題材にしたドラマです。


民主党予備選に出馬した
ペンシルベニア州知事のモリス(ジョージ・クルーニー)。

ハンサムでクリーンなイメージで優位に立つ彼は、
ライバルの共和党候補を打ち破ろうとしていた。

彼の選挙参謀となった
若き広報官スティーヴン(ライアン・ゴズリング)もまた
モリスの人柄に魅了され、彼に政治への希望を託した一人。

だが、選挙活動に関わるうちに
スティーヴンは
ある衝撃的な事実を知ることになり――?!


いや~これはマジで見応えありました。
本当に映画の醍醐味をよくわかっている人が作っているなあと。


G・クルーニーがまるで自らにダブるような
誠実でクリーンな大統領候補を演じるのがまず巧妙(笑)

エコエネルギーをプッシュし、中絶も賛成、
同性婚もOKというリベラルぶりの、理想に燃えるリーダータイプ。

しかし、そんな彼が票集めのために、
あるダメ議員と手を組まねばならんという状況になる。

そして、まさかの出来事が発覚。

え?そんな単純にはいくまい……?と、頭脳戦に参加するうち
俳優に騙され、演出に騙され、そしてイメージに騙されと
二重に三重に、騙される(笑)

それが快感ですハイ。

米選挙の仕組みは本当に複雑で、
この映画ですべてがわかるわけじゃないんですが
見ててわかんないことはないので、大丈夫。

それに根っこにある問題はたぶん
日米もさほど変わらないはず。

期待した政治家がこういう理由で身動きとれなくなるんだぁとか
おもんばかれる感覚になりました。

フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティと、
曲者たちの活躍も期待どおりだしね。

冒頭、希望に燃えてこの世界に入ってくるスティーヴンに
ベテラン政治記者が
「ホントに1人に世界が変えられると思うの?」とクールに言うんですが

その言葉が、最後に響いてきます。

それでも、我々はそういう世界で
決断をしていかなきゃならねえんだ!と

厭世的にならず、政治に向き合わねばらなんと
思いました。


★3/31(土)から全国で公開。

「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」公式サイト
コメント (2)
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