さあ、ついに最後のはやぶさムービーですよ!
「おかえり、はやぶさ 3D」31点★★
小惑星探査機「はやぶさ」の実話を題材に
東宝(竹内結子)、東映(渡辺謙)と各社が作ってきた
はやぶさ映画のトリ、松竹の作品です。
2003年5月。
小惑星イトカワへ旅だったはやぶさを
JAXAのエンジニア助手・大橋健人(藤原竜也)、そして
理学博士の野村(杏)らは見守っていた。
が、同じ2003年に
火星探査機「のぞみ」がトラブルにより
プロジェクトを断念し、
「のぞみ」を指揮してきた健人の父(三浦友和)は
この失敗とともに仕事を引退し、
家に引きこもるようになる。
はやぶさに関してアドバイスをもらいたい健人にも父は答えようとせず
親子の溝は深まっていくが――。
同じ話を見るのも3度目ですが
(試写で見た順番は、この作品が2番目だったけど)
まあ、それぞれに違うテイストとカラーがあるなあと
感心いたします。
はやぶさに起こるトラブルや
ストーリー展開を追う流れは同じですが
本作は3D映像なことと
なにより「父子の葛藤」ドラマに焦点をあてたのが特徴。
アプローチはいいと思ったんですが
そのお話がおもしろくないのが困った(汗)
はやぶさ方面ドラマも歯ごたえがなく、
トラブルが起こっても
あっさり解決で盛り上がらないし
弁達者な子ども(前田旺志郎)に解説部分をまかせるのも安直。
なによりカット変わりで
ネームプレートの位置が違うとか、
仕事に雑なところがありましたぞ。
なので
せっかくドラマ仕立てにしたのに
3D宇宙映像が強く印象に残り、
逆にもっとも宇宙学習っぽい作品な気がしました。
お子さんにはわかりやすいかも。
「なぜ、こんなにはやぶさ映画があるの?」って
多くの人に聞かれるのですが
3作品見てつくづく思ったのは
宇宙開発には“追い風”が必須で
この「はやぶさ」のストーリーは千載一遇のチャンスだということ。
すなわち
「次のはやぶさにつなげるための」プロモーションとして
これらの映画は重要な役目を果たすのだ、と。
どの映画も
少ない予算でがんばる関係者たちの苦労や、
成果が出ないことで、予算をカットされる不安を描いている。
そして宇宙開発とは
ロマンや希望要素だけでなく
科学技術推進の意味でも必要なんだということが
伝わるようになっております。
リアルタイムの「はやぶさフィーバー」には
あまりのれなかった番長ですが、
逆に映画観たことで
宇宙開発に理解が深まった次第。
がんばれ、日本の宇宙開発!
★3/10から全国で公開。
「おかえり、はやぶさ 3D」公式サイト