難点は
宣伝文句がわかりにくかったこと(笑)
「めぐり逢わせのお弁当」70点★★★★
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インド、ムンバイ。
主婦イラ(ニムラト・カウル)は毎朝、
夫と娘を送り出したあと、
夫のためにお弁当を作る。
それはダッバーワーラーと呼ばれるお弁当配達人によって
その日の昼までに、会社にいる夫の元に正確に届けられている……はずだった。
が、あるときイラのお弁当は間違って
見ず知らずの会計士サージャン(イルファーン・カーン)に
届いてしまう。
そこから、顔も知らない二人の
交流が始まるのだが――。
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2013年カンヌ国際映画祭の観客賞など
名だたる賞を受賞しているインド(フランス・ドイツ合作)映画。
お弁当の配達間違いから、
孤独な中年男性と夫とのすれ違いを感じている主婦が
文通のような、淡い交流をしていく・・・という話。
プロットは一見平凡だけど
簡潔ながら、ウィットに飛んだ手紙の内容がうまくて魅力的。
脚本が良いってことでしょうね。
全体に
しっとりと、どこか物悲しさ漂う雰囲気もよく
大人の話だし、
ハッピーエンドにはならないんだろうな・・・と思いつつ見たけど、
意外にいい感じに含みのあるラストなのもいい。
ただ、観る前に「ん?」と思ったのが
「“600万分の1のお弁当”から生まれた奇跡の傑作」
という宣伝コピー。
「お弁当の誤配送が600万分の1でしか起こらない」という
データから引いてきたとのことですが
パッと読むと
なんか実話?みたいに思えるし、
いえフィクションです、となれば
「600万分の1の確率なんて、あり得ないじゃん」って
逆に興ざめしちゃいませんかね(苦笑)。
プレスに載ってる説明を読めば、
まあ意味はわかるんですけどね。
映画の題材になっている
インドのお弁当配達システムが出来上がったのは
なんと125年前(!)のことで
シックス・シグマと呼ばれる
品質管理における世界水準の基準において
「誤配送が600万分の1でしか起こらない」という
結果が出ているんだそう。
そのシステムの正確さは
各国の大学などでも話題になり、視察が絶えないんだとか。
そんな背景を持つなかで
600万分の1の「もしも」が起こったら・・・?という
意味で使ってるんでしょうね。
朝作ったお弁当が
その日のうちに旦那のデスクの上に届くって、
確かにすげえおもしろいのですが
あくまでそれは題材であり
なんか、あんまり
そういうリードはいらなかったんじゃないかなーと(笑)
★8/9(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
「めぐり逢わせのお弁当」公式サイト