いやー、久々に王道いい映画!
「プロミスト・ランド」80点★★★★
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スティーヴ(マット・デイモン)は
“次世代を担うエネルギー”=シェールガスを扱う企業の社員。
相棒のスー(フランシス・マクドーマンド)と組んで
さびれた田舎に行き
農業主に「あなたの土地の地下に、お金が埋まっている!」と説得し、
ガスを掘る権利を取り付けていた。
ある田舎町でいつもと同じく、
農場主たちを説得しようとした二人は
「シェールガスは環境汚染をもたらす可能性がある」という
地元のある男に邪魔をされることに――?
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ガス・ヴァン・サント監督×マット・デイモンという
「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」コンビが復活した作品。
いや~、期待に違わず。
久々に「王道にいい映画をみた!」って感じです。
まず、
題材がおもしろい。
シェールガス(天然ガス)掘削の大企業に勤めるマット・デイモンが、
寂れた田舎町を丸め込み、農地を買収する。
地元民に受け入れられるため、
地元の雑貨店でわざと“田舎くさい”ネルシャツを買い(笑)
古びたワークブーツで交渉に挑む。
持ち前の“善人オーラ”をフル活用し、
あざとい地元の顔役を一枚上手でギャフンとさせるんだけど、
そんなときに思わぬ伏兵の老人が現れ
さらに環境団体と名乗る口達者な若者が現れてピーンチ・・・?!
――と、ね?あらすじを書き出していくだけで
おもしろそうじゃないすか?
“善人キャラ”マット・デイモンの旗色がどんどん悪くなったり
いや?また逆転?という運びのおもしろさも抜群。
その荒んだ風貌も笑いを誘う
相棒のフランシス・マクドーマンドとのやりとりもいい。
それら良い素材を
田舎町に流れる空気ごとカメラに収める
ガス・ヴァン・サント監督のゆったりとした演出が
見事な相乗効果で、見応えあります。
そして、この映画になくてはならなかったのは
やはり
共同脚本もこなしたマット・デイモン。
他の映画で
「男性の好み?マット・デイモンみたいな人がいいわ」と言われるような
(確か、これも最高にいい映画「アバウト・タイム」(9/27公開)のセリフだった(笑)
自分のイメージを、うまく物語の起承転結に使っているんですよね。
彼は本当に“人との共同作業”に向いている
典型的な犬派だと思う。
自身も
「『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』での
ベン・アフレックとの共同脚本執筆の作業を思い出した」と言っているそう。
自分で監督しようと思ったけど、どうにも時間がなく
「グッド・ウィル~」のガス・ヴァン・サントにメールをしたら
彼が興味を持ってくれたって。
なんか、超!いい仲間たちじゃん!
それで内輪モノじゃない
クオリティを出してくるんだから、いい縁だよねえ。
そして。
「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」といえば、
どうしても、惜しくも先日亡くなったロビン・ウィリアムズを思い出しもする。
ともすれば「説教臭くなる」この手の良質映画に
その絶妙な軽さと存在感でよく登場し、
「ケッ」とさせずに、物事の真意を
心に残してくれた俳優だったと思う。
この映画とは直接関係ないけど、いまここで合掌。
どうぞ、安らかに。
★8/22(金)からTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国で公開。
「プロミスト・ランド」公式サイト