ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ジュラシック・ワールド

2015-08-03 23:40:22 | さ行

「ジュラシック・パーク」(93年)から
22年ですって。時の流れに、うわー。


「ジュラシック・ワールド」58点★★★★


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科学の力で復元された
恐竜たちのテーマパーク「ジュラシック・ワールド」に
ザック(ニック・ロビンソン)と
グレイ(タイ・シンプキンス)の兄弟がやってきた。

彼らの叔母であり
施設を管理するクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は
彼らの世話を姉から託されるが、忙しくて秘書に任せきり。

クレアの目下の懸念は
遺伝子操作で作られた
“最強の恐竜”を無事にお披露目することだ。

ある不安要素に気づいたクレアは
恐竜行動学のスペシャリスト、オーウェン(クリス・プラット)に
協力を求めるのだが――?

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あの夢のテーマパークが実際に開園している!という
夢のような話からスタート。

映像やスリルは確かにものすごい進化です。仰天します。


主人公となる「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」
クリス・プラットがカッコいいし

昔の「ジュラシック・パーク」の
名残りの施設なども登場し、書き込みも細かい。

透明な球体に乗ってサファリパークのように恐竜たちを眺めたりとか
本当にパークに来たような臨場感もある。

全米でも大ヒットだし
ニッポンの子どもたちも
夏休みにぜひ、どうぞ!

って言いたいところなんだけど……
けっこう怖いよ?(苦笑)


それにね~
無粋を承知で言わせてもらうと

結果、同じ事を繰り返してて
過去への反省がない!

恐竜がかわいそう!


そもそも「ジュラシック」って
人間が恐竜を蘇らせるというロマンでもあるけれど
生命を操作することを含め、
人類への警鐘でもあったわけですよね。

昔は恐怖のなかに
それを感じた気がするんだけど
本作ではあんまそれが感じられない。

より進化した遺伝子操作で恐竜を生み出し、
見せ物にして

あまつさえ兵器に利用しようとか
さらに危なくなったら殺しちまえ、とか

人間のエゴばかりが目についてしまう。

もっとクリス・プラットが
倫理面を補う要素を持ってるとよかったんだけど
結果、惨事になっても反省要素もなく
なんだかなーという感じ。


恐怖だけでなく
もうちょっと思考をうながす
アドベンチャーであってほしいなと

たぶんこの話、続くと思うんで
ひとつよろしくお願いしたい、と思いました。


★8/5(水)から全国で公開。

「ジュラシック・ワールド」公式サイト
コメント
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