ほのぼの系?
いやあ、そんなもんじゃありません(笑)
「皆さま、ごきげんよう」68点★★★☆
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中世のギロチンの時代、ある戦場。
そして現代のパリへと舞台は移る。
パリのアパート管理人(リュファス)は
アパートに住む人類学者(アミラン・アミラナシュヴィリ)と
古い友人。
彼らと、その周辺の人々が巻き起こす
あれこれが紡がれていく――。
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「月曜日に乾杯!」「汽車はふたたび故郷へ」の
82歳、オタール・イオセリアーニ監督の新作。
ポスターのイメージから
仲良しそうな老人ふたりの、ほのぼの系?
はたまた人生の教えを請う系?――と思いきや
いやあ、そんなもんじゃありません!(笑)
まるで一筋縄ではいかない、人生標本箱のようで。
若輩者には歯が立たちませんでした(苦笑)
冒頭、中世のフランス革命のギロチンの時代から始まり
「え?これって、コスチュームプレイものだっけ?」と思っていると、
また時代が変わり、近代の戦争風景。
続いて現代パリになり
ローラスケートを履いてスリを行うギャル集団が写される。
うーん「略奪」「蛮行」をキーにしつつ
何かが展開しているのかなと思うんだけど
そう簡単でもないんですよね。
結局、舞台は現代のパリに固定され
パリの街を闊歩する
やんちゃな老人たちのあれこれが写される。
全体に
サイレント映画のような身振り手振りのおかしみがあって
ジャック・タチ作品のようでもあり
ひかれてペシャンコになる男のシーンとか
プッとなるブラックさがあり
現代の寓話集のようで、標本集のようで。
さあ、どう解明すればいいのか。
じっくり宿題にしたい・・・気分です。
★12/17(土)から岩波ホールほか全国順次公開。
「皆さま、ごきげんよう」公式サイト