実話から生まれた
素直に、いい話。
「こころに剣士を」69点★★★★
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1950年代初頭。
エストニアの小さな村に
エンデル(マルト・アヴァンディ)がやってくる。
第二次世界大戦中、ドイツ対ソ連となったエストニアは
いまソ連に併合され、
当時ドイツ軍にいたエンデルは
秘密警察に追われる身となっていた。
そんな彼が小学校の教師になり
クラブ活動でフェンシングを教えることに――?!
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エストニアの元フェンシング選手だったエンデルは
第二次大戦後に追われる身になってしまう。
身分を偽り、息を潜めて生きてきた彼が、
田舎の小学校でフェンシングを教えることになる。
最初はしぶしぶだった彼が
子どもたちとの出会いを通して
変わっていく――というお話。
展開は順当で、そんなに「えっ!」はない反面、
非常に誠実に作ってあると感じました。
しかも実話がもとだそう。
エンデルは子ども嫌いで
子どもたちも最初は彼を遠巻きにしている。
でも、子どもたちは彼にすごく関わろうとする。
なぜだろう、と思うと
映画の後半で
同僚の女性教師が彼に言うんです。
「あの子たちは“父親”に飢えている」と。
戦争で家庭のなかの“男性”がいなくなってしまう
そのいびつで悲しい状況について
「ハッ」と思わされました。
エストニアの時代・政治的背景を
予習しておいたほうが
わかりやすいかもしれないけれど
まあ、だいたいの状況はわかるし
なにより
子どもたちの純真さに、叶うものはない!ですね。
ポスターにもなってる
この少女・マルタの意志の強そうな表情!いいよなあ。
★12/24(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
「こころに剣士を」公式サイト