ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

アーティスト

2012-04-02 22:57:31 | あ行

フランス映画なのに
アカデミー賞作品賞受賞。

だってサイレント映画だからいんだもん!(笑)ってマジ?

「アーティスト」71点★★★★

1927年、ハリウッド。

サイレント映画の大スター、ジョージ(ジョン・デュジャルダン)は
名優である愛犬とともに、数多くの映画に出演する人気者。

あるとき、ジョージは
オーディションにやってきた
新人女優のペピー(ベニレス・バジョ)に出会う。

ジョージのあるアイデアで
ペピーはどんどん人気女優になっていく。

そして1929年。
映画界にセリフのある新しい「トーキー映画」が登場し始める。

が、トーキーに反発するジョージは
次第に時代の変化に取り残されてしまい――。


古きよき映画の時代と、香りを楽しむ作品です。


かといって古臭いわけじゃなく
ちゃんと新しい作品になっていること、

デジタル化や3Dなど
技術がどんどん新しくなっていく時代に、
別の視点から意見表明をしていること、

そして作品のアプローチ自体が“映画愛”なところが
オスカー獲得の理由でしょう。

番長的にも
映画へのリスペクト法としては「ヒューゴの~」より好き。


話はシンプルで「ぐわー」という大波の感動はないけど、
やはり質が高いとは感じました。


映画だけの話じゃなく、
紙媒体→インターネットの変化にどう対処すべきか?なんて
主人公の姿に自分を見て、
考えさせられることもあったりして。


ラストの展開をピンと来させるシーンなど
映画好きにも嬉しいし、
またサイレント映画初体験という人も楽しめると思う。


主演男優賞に輝いたジャン・デュジャルダンは
往年のスターオーラや表情をうまく表現しているけど、

ただ女優はやはりスタイルのよさが
全然当時と違いますな(苦笑)

まあなにより拍手なのは
さすがパルムドッグ賞受賞、助演のワンコが最高!(笑)

★4/7(土)から全国で公開。

「アーティスト」公式サイト
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島

2012-04-01 18:12:53 | さ行

このタイトルを聞くと、どうも
前作のブレンダン・フレイザーのびっくり顔が
思い浮かんでしまうのだ……(笑)

「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」3D版70点★★★★


前回の冒険から4年。

17歳になったショーン(ジョシュ・ハッチャーソン)は
父の死を乗り越えたものの
母の再婚相手ハンク(ドウェイン・ジョンソン)とイマイチしっくりきていない。

そんなときショーンは、謎の信号をキャッチする。

それはジュール・ヴェルヌがかつて本に書き、
ヴェルヌ信者たちが「本当にある」と論じてきた
「神秘の島」の場所を指していた。

ショーンはしぶしぶ保護者のハンクとともに
冒険に出発するのだが――?!


これは期待以上におもしろかった!

アドベンチャー&アトラクションとして楽しめるので
断然3D版で見るのがオススメです。


前作はジュール・ヴェルヌの「地底旅行」をベースにし、
今回もまた彼の著作「神秘の島」を下敷きにしている。

なのでまず、SFの設定センスがいい。

神秘の島は、通常の世界と物の大小が逆転しており、
すなわち昆虫がどでかかったりするんですが、

その感覚を3Dの奥行き感を利用して、
視覚的にうまく“だましながら”見せてくれます。

絵柄もどこか原色図鑑ふうで美しい。

お話のほうも
謎解きも速やかで話が早く、
人物描写も最小限にして、一応キャラは立っているという
アドベンチャーものとして気が効いてました。

さらに前作よりもいいのは
ハンク役のドウェイン・ジョンソンの存在。

筋肉バカと、実は持ってるインテリジェンスをうまくブレンドし、笑わせてくれます。

春休みにピッタリですねえ。


★3/31(土)から新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国で公開。

「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする