あ~鹿児島行きて~
「六月燈の三姉妹」70点★★★★
***************************
舞台は鹿児島。
夏祭り「六月燈(ロッガッドー)」の準備に忙しい
商店街の和菓子屋「とら屋」に
次女(吹石一恵)の夫(津田寛治)が
東京からやってくる。
実はこの二人、離婚調停中なのだが
夫はどうしても諦めきれず、次女を追ってきたのだ。
さらにとら屋は
母(市毛良枝)もバツ2、
長女(吉田羊)も出戻りのバツイチ、
三女(徳永えり)も婚約破棄、と
なにやらいろいろ事情がありそうで――?!
***************************
最初つまんなくて、でも
ラストに向かって俄然よくなる映画。
最初よくてラストダメと
どっちがいいか、っていうと
意外と前者のほうが心に残りやすい。
商店街のメンバーたちが
ちょこちょこ登場する部分をまるっと省き、
最初から三姉妹に絞ればよかったと思う。
あえて「地域復興」を入れようとしたのかとも思いますが
だんだん本筋に関係なくなってくるし、
ちょっともったいないなーと。
加えて
次女(吹石一恵)とダンナ(津田寛治)の離婚の理由も
ちょい複雑な一家の事情も
なかなかはっきりせず、
前半、かなり「もやん」とした
ゆるい雰囲気が長すぎる。
しかし中盤、三姉妹が六月燈でキャンディーズを踊り、
そのあたりから、家族の物語に焦点が絞られ、
面白くなっていきます。
そのあたりは、さすがベテラン・佐々部清監督だなと思いました。
三女役の徳永えりさんが
特に上手くて
三女の抱える問題で、
女性たちの個性が見えてくるのも
ああ、あるよなあと。
それに
個人的に、鹿児島大好きなんで
あったかい言葉も、人も、市電も、ロケ場所も、焼酎も、
見ていて楽しめたし
「あ~鹿児島行きて~!」となったので
ご当地ムービーとしては大成功だと思います。
★5/31(土)から公開。
「六月燈の三姉妹」公式サイト