カール・ラガーフェルド氏に
「ファッション業界ドキュメンタリーに最多出演賞」
「心が広いで賞」をあげたい。
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「マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ」69点★★★★
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モデル→スタイリストから
フランス版『ヴォーグ』誌の編集長となった
美しき59歳、
カリーヌ・ロワトフェルド。
彼女が2011年にヴォーグを辞め、
自分の新雑誌『CR』の創刊に向けて
ひたすら驀進する様子を写したドキュメンタリーです。
過去話とかはなく、
本当に彼女の“いま”のみを写しているのが特徴。
ヴォーグの編集長というと
やっぱり「プラダを着た悪魔」のモデル
アナ・ウィンター女史を思い浮かべますが
カリーヌさんは気難し屋タイプではなく、割と気さくな印象。
確かにグイグイ行くけど
いやな印象はないのが「へぇ」な点でした。
底意地悪い観客としては(ワシのこと)
「“いい人”なとこだけ
取り出して編集してるんじゃないの?」とか
ナナメ見な気持ちもあったのですが
宣伝会社嬢によると
本当に“いい人”らしいですね(笑)
籍は入れていないけれど、
30年同じ連れ合いと添い続けてるっていうのも
「へえ」と好感度高く
美人の娘と息子、さらに孫まで手に入れ
自らを「勝ち組よね」と言っても
イヤな感じをこちらに持たせないのは
なかなか出来る技じゃありません。
なんでかというと、たぶん
今年還暦にして
このスタイルのよさとバイタリティに
「美」に関わる人間として、ものすごく説得力があるんでしょうね。
バレエ・トレーニングによる老けない身体作り(見習おう・・・)
成功に甘んじず「過去と同じことはしたくない」という果敢さ
そして昨今、元気のない雑誌世界に「喝!」というパワー。
すごいなあと思いました。
ただ、さすがに93分、この調子だと
「やっぱり新雑誌の宣伝かね」と思ってしまう面もあるのは
致し方ないところでしょうか。
売り切れ続出の人気という『CR』、
実際、どんなものか見たくなりましたしね。
代官山蔦屋書店で2100円くらいだったかな。
中身はさすがに「ふーむ、なるほど」というものでした。
映画では
ブルース・ウェバーや、トム・フォードなど
興味深いメンツが登場し、
彼女との仕事について語るのも見どころ。
そしてやっぱり、カール・ラガーフェルド!
業界ドキュメンタリーで、この人が出ないことはないですよねえ。
本当に彼はいい人で、心が広いんだろうな~と
思うのですハイ。
★5/9(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
「マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ」公式サイト