見終わって思わず「やるう」、と声が。


「ナイトクローラー」79点★★★★




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米・ロサンゼルス。
ケチなコソ泥をしているルイス(ジェイク・ギレンホール)は

あるとき、交通事故の現場で


“ナイトクローラー”と呼ばれる報道専門のパパラッチに出会う。

彼らは警察の無線を傍受しては事件現場に急行し、
生々しく衝撃的な映像を
テレビ局に売っているのだ。

「これは俺にピッタリかも――」と思ったルイスは
簡易なビデオカメラと無線傍受機を買い、
ナイトクローラー業を始めるのだが――?!



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「ボーン・レガシー」の脚本家
ダン・ギルロイの初監督作。
思わず「やるぅ」と声を出してしまうほど
見ごたえありました。


題材の新しさ、おもしろさに加え
主演のルイス役のジェイク・ギレンホールが凄い!


この人、
「プリズナーズ」でも
感嘆したんですが、顔芸が凄い。

「プリズナーズ」は顔面チックをうまく使ってたけど
今回は、白眼。白眼の余白。
白眼芸と名付けましょう(笑)


その白眼芸とぬぼ~っとした不気味さが
死に神かハイエナか、ってくらい究極の“イヤなやつ”にハマるハマる。

彼が演じるルイスという男は
モラルも社会性もゼロなくせに

「自分は“もってる”


“やっかいな若者”の見本のような男なんです。

そんな彼が
偶然に報道パパラッチの仕事に出会い




モラルも遠慮もないから
現場にずうずうしくグイグイ入り込み



それがテレビ会社に売れるわけですね。
ワシだって
「やだやだこういうの

やっぱり衝撃映像は見ちゃうわけで。

で、それを嬉々として撮ってる男が
他者への思いやりなど微塵もなく、ネットとテレビの世界に暮らし、

そのくせ自己顕示欲だけは強い――という、このイヤ~なリアルさ。
ゾッとしつつ、それを見てる自分の胸にも
手を当ててしまうという。

物語も予想可能な方向に行くようでいて
いや、こうなるとはね、と。

ぜひお試しあれ。

★8/22(土)からヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか、全国順次公開。
「ナイトクローラー」公式サイト