今や映画の世界で大スターになったドウェイン・ジョンソン。彼がWWEのスーパースター、プロレスラーだったことを知らない人がいる時代になってしまったことに驚きます。
ドウェイン・ジョンソン、ことロック様が初来日したのは、2002年3月1日・横浜アリーナでした。日本のプロレスは最高ですが、「アメプロ」と呼ばれていたWWEも最高のエンタメであることを、僕はこの日知りました。
メインエベントはザ・ロック対クリス・ジェリコ。この試合の終了後のロックとジェリコのやりとりが、最高に笑えたのです。この頃は今のようにLGBT云々を論じる時代ではなかったので、こういうやり取りが可能でした。
クリス・ジェリコ(ニックネーム:Y2J)対ロックの試合が終わり、引き上げていくジェリコをロックがリングに呼び戻しました。そして・・・
ロック「折角の日本だ。これから六本木に行かないか?一緒にジャパニーズパイを食べようぜ」
ジェリコ「いやだね」
ロック「(驚いて)お前、パイは嫌いなのか?」
ジェリコ「嫌いだよ」
ロック「(さらに驚いて)ジャパニーズパイが嫌いだと?」
ジェリコ「ジャパニーズだろうが、アメリカンだろうが、メキシカンだろうが、イングリッシュだろうが、フレンチだろうが、とくかくパイは嫌いなんだよ!」
ロック「(信じられない表情で)Are you OKAMA ?」
ジェリコ「???オカマって何だ?」
ロック「・・・オカマとは日本語でゲイのことだ」
ジェリコ「そんなわけないだろ!」
ここである観客が「Y2ゲイ!Y2ゲイ!Y2ゲイ!」と言ったことから、アリーナが「Y2ゲイ!」の大合唱に・・!
ジェリコ「お前のせいでY2ゲイなんて言われたじゃないか!」
パイとは女性のあそこのこと。ロックはつまり、日本の女の子をナンパしようと誘ったのです。ところがジェリコはそれが分からず、パイが嫌いだと言ってしまった。お前、女が嫌いなのか?ということで、ロックは「オカマ?」と言ったのです。
観客(仕込み?)のアドリブ?は見事でしたが、ジェリコは既に30回以上も来日していて、カタカナの読み書きは完璧な人なのです。しかも日本語もペラペラ。このコントで、オカマという言葉をロックに教えたのは、実はジェリコなのです。本来5分で終わるはずだったのが、観客のY2ゲイコールにより、予測しなかった盛り上がりになり、20分を超えるコントになってしまいました。これが伝説の横浜ライブです。
当時、そこにいたどれだけの人が、本当に笑えたのかは「?」ですが、会場があんなにお笑いで盛り上がるのを生で観たのは、この時が最初で、しかも最高でした。