アマゾン。多くの人が利用している通販サイトです。時々いろんな「評判を貶めるような内幕」が報道されますが、消費者にとっては価格が安く、商品が届くまでが早いので、利用を止めない人は多いと思います。
しかし、実際には数年前に比べてアマゾンのサービスは低下しているし、「地球上で最もお客様を大切にする企業」という経営理念は全く実践されていないと僕は断言します。アマゾンの顧客サービスには全く満足出来ないので、僕は最近ではアマゾンを利用する機会を可能な限り減らしています。
本来「買い物」は楽しいもの、嬉しいものです。働いて得た・貯めたお金で楽しみにしていたものを手にれる。その時の満足感は、何物にも代えがたいものがありました。特に子供時代、学生時代と若い時ほどそうでした。レコード1枚、本1冊。大きくなったら、車1台、家一軒、服1枚、何を買っても嬉しかったものです。
ところが通販では、お店で商品を手に取って確かめる、お目当てのもの以外にも良い品物を見つける、店員さんの説明から価値ある知識を得る・・そういう楽しみが一切ありません。確実に間違いなく注文した品物が運ばれてくるかどうかの1点だけが、ネット通販の全てだと僕は思います。
さて、アマゾン。いつからか・・・商品の包装がとても貧相なものになりました。昔のアマゾンのように文庫本1冊を大きな箱に入れて送ってくるような過剰包装は必要ありませんが、CDケースは割れる、書籍はカバーが本体とずれて折れ曲がっている。そうなるのが分かっているのに、不十分な梱包ばかりになりました。何万円もするような品物が、茶色の「ちゃち」な紙封筒で送られてくる。反対に千円もしないようなどうでもいいものが、ダンボール箱で送られてくる。買い物の喜びが失せてしまう瞬間を何度も味わいました。
運送会社もいろいろな会社を経て、時間通りに来ないのは当たり前。問い合わせ先も分からない・問い合わせも出来ない運送会社を使うようになりました。これも商品の値段に関係なく、運送会社に振り分けられます。
これは昨日。
トレーニングウエアがタイムセールで安くなっていると聞き、アクセスしました。なるほど、魅力的なセールです。ところが、タイムセールの商品、どれをクリックしても・・・
通常の価格しか表示されません。2,182円のハズなのに!こういうサイトのトラブルも、今やアマゾンでは慣れっこになるほど起きています。他にもいろいろ問題を皆さんが感じていると思いますが、最近の1番の問題はカスタマーサービスでしょう。
不良品が届いた。荷物が届かない。いろいろなトラブルに対応する部署が、カスタマーサービスです。我々消費者がここに連絡する時は、おそらく良い感情の時ではありません。怒っている時、残念な時、「どうしてくれるの?」という気持ちの時が大半です。そういう苦情を受け付けることを職業にしている人たちは大変な思いをしているでしょう。それも分かりますが、アマゾンのコールセンターはレベルが低過ぎます。
まず日本語が通じない。不具合があって機嫌が悪い僕ら消費者側が、我慢して丁寧にゆっくり話しても会話が通じない時がある。英語も通じない。そして、カスタマーサービスの人間が、恐らくモニターに出ている商品の名前、その文字さえ読めない時がある。「日本人の人と代わって下さい。あなたでは話にならない。」と言うと、「そういう言い方するなら切らせて頂きます」と、一方的に電話を切る!
「誠に申し訳ありません」と、まずお客の言い分を聞く。僕らが習って来た接客マナー等、どこにもありません。逆にお客がカスタマーサービスの機嫌を取らないといけないお店で、誰が買い物をしたいと思うでしょう?
こういう企業であっても、薄利多売で市場を牛耳っているから、ヨドバシも楽天も「値段とスピード」で歯が立たない。そうこうしている間に、僕らのリアル社会の身近な店舗はどんどん閉店が進む。こんなに買い物が楽しくない時代は、今が1番です。
百貨店やハイブランドのお店だけが、まだまだ接客マナーも良く、楽しく買い物が出来る最後の砦だと僕は思っていますが、そこすら、最近ではマナーも言葉使いも悪い、そして商品知識が無い店員が増え始めています。「爆買い」等と言う、頭を下げて笑顔をしているだけで成り立つ商売しか若い人が見ていないから、どんどん世の中から商売道徳が失われて行きます。
そして、円安が進むほど、我々日本人消費者を取り巻く環境は、今後更に厳しくなって行くのです。気分よく楽しく買い物をしたい。100均ではなく、良い品物を買いたいという人も、大勢いると思うのですが、身の回りに100均が増え、商店街にスポーツ用品店が無いと、例えば縄跳びのロープ1つ買うのにも、アマゾンと関わらないといけなくなる。時計の針を戻して、ネット通販が無かった、せめて1990年代に戻りたい!還暦過ぎの人なら、この気持ちを分かってくれる人は多いと思います。