パソコンが普及したおかげで、書くという行為はすっかり様変わりして、例えば「筆をとる」といった言葉も死語になりつつあります。
そうは言っても、ペンを紙の上でさらさらと走らせていく時の、あの心地良さには、なかなか捨てがたいものがあるます。僕はペンで書くのが大好きです。
愛用のペンも、使うほどに手に馴染みますし、良いペンで書くのに字が汚いと、ペンに失礼です。
もう10年以上も前のこと、仕事でリクルート系のある会社と関わった時のこと。上の人から下の人まで、みんな右に倣えで、なぜか全員筆記具にモンブランの万年筆を使っていました。そもそも最近の若者は字が総じてヘタなのに、使い方の難しい万年筆。誤字には上から二重線を引き、ペン先を紙に引っかけてばかりいました。
格好をつけて良いペンを持って、ペンにまるで不釣り合いの文字。笑いを禁じえなかったことを思い出しました。