アーバンライフの愉しみ

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司馬遼太郎著「短編全集⑪」

2020年02月06日 | 読書三昧

 

司馬遼太郎氏の1967~68年発表の短編を9編収める。548頁。

 ①大和大納言~豊臣家の人々第5話 
 ②駿河御前~豊臣家の人々第6話
 ③結城秀康~豊臣家の人々第7話
 ④八条宮~豊臣家の人々第8話
 ⑤淀殿・その子~豊臣家の人々第9話
 ⑥小室某覚書
 ⑦故郷忘じがたく候
 ⑧惨殺
 ⑨胡桃に酒

連作「豊臣家の・・・」は、中央公論に連載された短編だが、水飲み百姓から天下人になった秀吉を囲む人々の悲喜劇を描いている。

特に、秀吉の異父弟である大和大納言(小一郎:秀長)は、性格が温厚で人望もあり合戦にも強かったから、この人に先立たれなかったら、豊臣政権のあり様も変わっていたのではとの指摘に共感した。

他に、朝鮮の役で島津義弘が拉致してきた陶工たちに「白薩摩」と呼ばれる陶器を生産させ、藩の財力アップにつなげたドキュメンタリー風の 「故郷忘じがたく候」も感心しながら読んだ。「胡桃に酒」は、光秀の三女で細川忠興に嫁いだ「たま(細川ガラ シャ)」の数奇な運命を描く。

ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★)

 

 

 

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