1964年に発表された14編を収容。790頁。
次の14話の短編を収める。
①斬ってはみたが
②慶応長崎事件
③鬼謀の人
④人斬り以蔵
⑤薩摩浄福寺党
⑥五条陣屋
⑦侠客万助珍談
⑧肥前の妖怪
⑨喧嘩草雲
⑩天明の絵師
⑪愛染明王
⑫伊達の黒船
⑬ただいま十六歳-近藤勇
⑭酔つて候
最も読み応えのあったのは、15代土佐藩藩主”山内容堂”の生涯を綴った「酔って候」。無類の酒好きで、目覚めている間中酒を飲み続け、周囲の無教養さを笑い、武市半平太など土佐勤王党を弾圧した。
他に、幕末、長州の医者の家に生まれるも西欧兵学を修め、上野に立てこもった彰義隊をアームストロング砲を使って撃滅した村田蔵六(大村益次郎)の物語「鬼謀の人」など。